ソーシャルメディアへの投資効果が見える時代の到来
検討層だけを対象としたマーケティングが効果とコストの両面で限界を迎える中、3・11以降日本でもソーシャルメディアが情報伝達インフラとして整備され、急速に浸透しはじめました。
これは、今までマーケティングの対象としていなかった世の中の大多数の方々である潜在層にアプローチして、将来的な顧客とつながりを持つチャンスであると捉えました。
当時、日本ではまだ企業によるソーシャルメディア活用の目立った成功事例がありませんでしたが、先行者利益が高い分野であるため、いち早く着手し磨き込むことが大事であると感じました。
ソーシャルメディアへの進出に大きな可能性を感じる一方で、本当に効果が出るのか。当時はまだまだ、判断できる材料が揃っていなかったことも事実です。
そこに、アトリビューションマネージメントが登場し、直接的な効果が見えづらいソーシャルメディアの間接的な効果が分かる仕組みが登場ました。
最終的にサイト誘因に結びついたのはリスティングだったとしても、その前に接触したソーシャルメディアがサイトを訪れたターゲットにどれだけの影響を及ぼしたかが分かるようになってきたのです。
技術の進化により、潜在層にアプローチする場ができ、アプローチしたことの効果分析が可能になったのです。
「高いブランド認知」×「キャラクター人気」が
将来的な顧客層を対象としたマーケティングの武器になる
ソーシャルメディアに進出し、将来的な顧客層を対象としたマーケティングへと舵を切る時にわたしたちが目指したのは、潜在層に寄り添うように継続的にコミュニケーションをしながら、「SUUMOって楽しい」「SUUMOって好き」という感情、つまり潜在層とのエンゲージメントを蓄積することです。いつか住み替えたいという欲求が芽生えた時に一番にSUUMOを思い出してもらえる状態を目指しました。
そのための自社のアセットを見返した時、約90%という高いブランド認知とキャラクターの人気が強い武器になるのではないかという仮説を持ちました。
住宅のことを考えていない潜在層の方々に受け入れていただくためには、「よく知っている存在であること」「愛されるキャラクターがあること」が大きな武器になると考えたのです。
検討層を対象としたマーケティングの目的がSUUMOサイトへの誘因なら、潜在層を対象としたマーケティングの目的はSUUMOのブランドを好きになってもらうこと。
わたしたちにとってソーシャルメディア進出という決断は、ブランド戦略の方向性を転換するという意味を持っていたのです。