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eMetrics Marketing Optimization Summit, San Francisco, 2012

「ほとんどのダッシュボードは失敗作」
eMetrics: Marketing Optimization Summit基調講演レポート


 2012年3月5〜7日まで、サンフランシスコにて「eMetrics: Marketing Optimization Summit」が開催された。昨年のレポートに続きデジタルマーケティングの最新潮流を紹介していく。本記事では「Dashboards that Actually Enlighten」(実際に意味が伝わるダッシュボードとは)と題した基調講演についてレポートする。

 eMetrics最終日に登壇したのは、ビジネスインテリジェンスの分野でデータの視覚化に関する書籍を3冊出版し、企業へのコンサルティングやセミナー活動に従事するスティーブン・ヒュー氏。「Dashboards that Actually Enlighten」(実際に意味が伝わるダッシュボードとは)と題した基調講演が行われた。

世界初の線グラフ

 まず、1786年に政治経済学者のウィリアム・プレイフェア氏が発表したという世界初の線グラフが紹介された。

 プレイフェア氏は最終的に線グラフ、棒チャート、パイチャート、円グラフの4種類のダイアグラムを発明した。それ以降、グラフ化の手法は多様化したものの、基本は変わっていない。理解と表現の原則としてはゲシュタルト心理学が参考になる(参考:Wikipedia)。

 その後、Jacques Bertin (1918-2010)がデータの視覚化を発展させた。グラフィックコミュニケーションは簡単に覚えることができるにも関わらず、あまり普及していない。必要なのは理解を助ける視覚化であって、装飾ではない。最近はグラフの表現が多様化したが、無駄な装飾や不適切な表現方法によって伝達の効率が落ちている、とヒュー氏は続ける。次に、具体的に悪い例を改善していくプロセスが紹介された。

 これが改善前の悪い例だ。以下の15点の改善を加えていく様子が紹介された。

  • 傾いてしまって増減の変動が分からなくなる立体表現をやめる
  • 無意味な背景色を削除する
  • 最も重要な棒グラフの最上部が見えにくくなる三角形を四角形に戻す
  • 縦と横の軸に設置された外向けの区切りを削除する
  • 縦軸の無駄なセントの2桁を削除する
  • 縦軸の全ての数字に付与された「$」記号を削除し、一カ所にまとめる
  • 赤青のラベル表示の説明がグラフの方向と合っていないため、上部に横方向に並べる
  • 予算の方が赤で目立っているため、色を変更
  • 予算と実績の乖離を示すために棒グラフを並べるのではなく、予算を点(短い線)で表現
  • 時系列のトレンドが重要なため、棒グラフを線グラフに変更
  • 変化のメリハリをつけるため、縦軸の最小値を変更
  • ラベルを線の横に並べる
  • 白黒で印刷しても伝わるよう、色を変更
  • 予算と実績の乖離が重要なので、それぞれの線グラフではなく差分の線グラフに集約
  • 縦軸を金額ではなく変化の割合(%)に変更

 これらの改善を加えることによって、最終的に以下のようなシンプルなグラフに変身した。支出の実績が予算を下回るようになってきているトレンドが分かりやすくなった。

 何を伝えたいのかを考え、シンプルに表現すると良い、とヒュー氏は主張する。

ほとんどのダッシュボードは失敗作

 ダッシュボードのデザインもグラフと同じであり、ほとんどのダッシュボードは失敗作だという。悪いのは技術でもツールでもなく、表現手法としてのデザインである。そもそも、「ダッシュボード」という車のメーターをメタファーとした時点で間違っているとし、「ダッシュボード」のあるべき定義について披露した。

 A dashboard is a visual display of the most important information needed to achieve one or more objectives; consolidated and arranged on a single screen so the information can be monitored at a glance

 ダッシュボードとは、1つ以上の目標達成のために最も重要な情報を、一目で監視し理解できるように、一つのスクリーン上に統合して配置することで視覚的に表現したもの。

 この定義は、2004年にIntelligent Enterprise誌の記事『Dashboard Confusion』になり、さらに2006年には書籍『Information Dashboard Design』としても出版された。

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この記事の著者

清水 誠(シミズ マコト)

Webアナリスト/改善リーダー。1995~2004年まで凸版印刷・Scient・RazorfishにてWebコンサルティングやIA・UI設計に従事した後、事業会社側へ転身。UX/IAやデジタルマーケティングの導入による社内プロセス改善の推進と事例化を行っている。ウェブクルーでは開発・運用プロセスを改善し上場を支援、日本アムウェイでは印刷物のデジタルワークフローとCMS・PI...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/25 17:34 https://markezine.jp/article/detail/15398

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