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eMetrics Marketing Optimization Summit, San Francisco, 2012

「ツールがデフォルトで提供するデータやレポートに、大きな価値はない」eMetrics: Marketing Optimization Summit 2012に参加して感じたこと


 2012年3月4日~5日に米国サンフランシスコで開催されたデジタルマーケティングのイベント「eMetrics:Marketing Optimization Summit」について、5本のレポートをお届けしてきた。最後に全体を通して感じたことをまとめて、レポートの締めくくりとしたい。

Webの解析だけではなくなった

 eMetricsが「アクセス解析」から「デジタルマーケティング」へと広がってきたことは、2011年10月開催のeMetricsに関する所感記事でも触れた(参考:「eMetrics: Marketing Optimization Summitに参加して感じたこと」)。

 このトレンドは今回も顕著で、最初の基調講演では、「Web Analytics Association」(WAA)も組織名を「Digital Analytics Association」(DAA)に変更することがアナウンスされた(参考:「Web解析からデジタルアナリティクスへ」eMetrics: Marketing Optimization Summit基調講演レポート)。「Web Analytics」(Web解析)は、デジタルアナリティクスの一部でしかない、という位置づけだ。

 このトレンドは、解析関連のベンダーによるマーケティングにも既に反映されている。Adobe(旧Omniture)は、SiteCatalystは「Adobe Digital Marketing Suite」の中の一つの製品でしかない、と位置づけている。同様に、IBMもCoremetricsを買収し、Enterprise Marketing Managementの一部として位置づけられるようになった。

 セッションの内容に関しても、Webにおける解析だけに閉じた話はほぼ姿を消し、包括的なデータ活用の話が多かったようだ。2011年には組織としての取り組み方や「ビッグデータ」の話が多かったが、今回はそれらを超えて具体的な事例の話が多かった。わずか半年で業界のトレンドが進化していることが感じられるということは、それだけ変化のスピードが速いということだろう。

アクションできるデータを能動的に得よう

 そんなトレンドを受け、「アクセスの様子」「施策の効果」「人気コンテンツ」を調べるようなタイプの解析はもはや姿を消した。受動的に得られるデータを眺めて意味を見い出そうとするのではなく、ビジネス的に価値があるアクションにつながるデータを決めて、それを得るために必要な努力と工夫をする、というスタイルが定着したようだ。

 ツールがデフォルトで提供するデータやレポートに、大きな価値はないのだ。

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この記事の著者

清水 誠(シミズ マコト)

Webアナリスト/改善リーダー。

1995~2004年まで凸版印刷・Scient・RazorfishにてWebコンサルティングやIA・UI設計に従事した後、事業会社側へ転身。UX/IAやデジタルマーケティングの導入による社内プロセス改善の推進と事例化を行っている。ウェブクルーでは開発・運用プロセスを改善し上場を支援、日本アムウェイでは印刷物のデジタルワークフローとCMS・PIMを導入、楽天では...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/25 17:31 https://markezine.jp/article/detail/15402

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