ヒットを生みだすキャッチフレーズの3つのポイントとは?
そのキャッチフレーズを見た時、これは効きそうだと思ったのでその場でメモをした(何度も言いますが、思わず反応したコピーはメモなど記録しておくこと。溜まればネタ帳になるよ)。なにしろ3つもおいしいポイントが盛り込まれている。歴史家W・H・マクニ―ルが書いた「世界史」という本のPOPのキャッチフレーズのことだ。
新作ではない。1967年に出版され、日本では2001年に刊行された、いわばロングセラーだ。今年の3月現在で上下巻30万部売れているという。世界史の本は売れないと言われているので異例のヒットだ。一昨年に東京大学の生協で火がつき、今年の2月ごろから書店でも販促を展開したという。
約60文字のキャッチフレーズが機能して、あまり売れていなかった商品をヒットさせ、さらにその現象をメディアが取り上げ、それがTwitterなどで拡散されて、さらに売れ行き好調という一連の流れは理想的なセールスプロモーションと言っていい。
売れている理由はいくつかあるようだが、書店売り場でのPOPのキャッチフレーズが効いているというのは想像に難くない。販促ツールと言っても、売り場ではこのPOPしか見かけなかったからだ。
実はこの「世界史」には、「世界で40年以上読み継がれている名著」というキャッチフレーズもある。ニュースリリースのヘッドラインではこの表現でもいい。しかし、売り場で訴求するにはもっと興味を持つような‘その気にさせる’表現が欲しい。その点でよくできているコピーだ。それがこれ。
海外の学生はこの本を読んで世界史に強くなっています。
たった2冊で大丈夫。世界史を理解する最後のチャンスです。
本の内容に触れずに、読むことでもたらされるメリットを訴求しているのが分かる。初対面では関心を持ってもらうことが重要。それに、やさしい言葉による簡潔な表現もいい。さらには冒頭で述べたとおり、よく使われるコピーライティングのポイントを3つ見ることができる。それらがうまく受け手に動機づけをしている。
知る前は興味もなかった、ましてや欲しいとも思わなかったのについ……というような購買行動を起こさせるようなキャッチフレーズは動機づけが巧みだ。そこには気になる、手に入れたくなる表現のコツが仕込まれている。そしてそれはコピーライティングのキモでもある。
Webの記事を読むのもいいけれど、リアル有田憲史さんに会って直接講義を受けませんか?
「コピーの中で最も重要なキャッチフレーズの作り方」「説得力アップのためのフレームワークとレトリックの紹介」の2点に重点を置き、動かす、読まれるWebコピーの発想と作り方を伝授します。キャッチコピー、ボディコピーを実際に書いていただき、その場で講師が添削するワークショップの時間を設けています。