「欲しい!」と思わせるコピー:商品ニーズをタイミングや機会と結びつけよう
ヒットを生み出すコピーのポイントその3~タイミング・希少性を強調する
海外の学生はこの本を読んで世界史に強くなっています。
たった2冊で大丈夫。世界史を理解する最後のチャンスです。
3つ目の「世界史を理解する最後のチャンス」は、「最後のチャンス」で商品を手に入れるタイムリーな機会であることが強調されている。このコピーは学生を対象としたものだと思うが、中高年の私にとってもいい機会かもしれないと思わされた。「世界史」の購買層は30代~50代が多いということなので、自分と同じように感じた人も多かったのかもしれない。
ところで、商品のタイムリーな訴求、いわばグッドタイミング・アプローチはどう考えればいいかという話だが、これは作ればいい。頭の使いどころだ。商品を使うシーンとタイミングや機会を結びつけてみよう。ずいぶん古いけれど有名な例を紹介する。
どこまで真実かは分からないが、丑の日にウナギを食べる習慣は江戸時代の元祖コピーライター平賀源内の仕掛けによるものとされている。ウナギが夏に売れないという問題を解決するために源内は、ウナギを丑の日に食べると夏バテしないという古い伝承を利用したのである。なお、ウナギが一番おいしいのは秋から冬である。これ豆知識ね。
たとえば春休みと英会話を結びつけてみよう。そうすると「英語話せるんだ、すごいねと新学期にみんなを驚かそう。」とキャッチフレーズが考えられる。新学期に友人を驚かせるという目的を設定して、英会話を習いたいという動機を高めるわけだ。人も馬も同じ、動かしたいならニンジン、とびきりうまいのをぶら下げよう。
「世界史を理解する~」のセンテンスでは、グッドタイミングの提示以外にさらに「最後の」という言葉で機会の希少性も強調している。背中を押すような表現だ。<こんな機会はこれっきり>と言われると、人はチャンスを逃して後悔したくないので行動する可能性は高い。
希少性の訴求というと、「期間限定」や「数量限定」、「あと3つお急ぎください」などの煽り文句が浮かぶが、機会と結びつけるパターンもよく使われる。
あるクリスマスイベントの広告で使われた「3歳のクリスマスも、5歳のクリスマスも一生に一度。」というキャッチフレーズはその良い例で、毎年訪れるクリスマスを一生に一度の機会という希少性の高いものにすることで高い動機づけをしている。この歳の子どもを持つ親はイベントに参加したくなるはずだ。
以上のように、「世界史」のキャッチフレーズには<特徴を第三者の評価で言う>、<少なさ、小ささを強調して心理的ハードルを下げる>、<機会の希少性を強調し購入のグッドタイミングと思わせる>と3つの表現パターンが使われている。こうしたいわば効果的なコピーの「型」を真似するのがライティング上達の早道である。

●キャッチコピー力の基本 ひと言で気持ちをとらえて、離さない77のテクニック(川上徹也/日本実業出版社)
キャッチフレーズも含めてコピーを考えるときはうんうん悩むより、手本を参考に真似することを勧めます。この本には実際の広告の中から選んだ使えるキャッチフレーズの事例が考え方と一緒にたくさん載っており、それらを応用すればフレーズづくりが少し楽になります。
Webの記事を読むのもいいけれど、リアル有田憲史さんに会って直接講義を受けませんか?
「コピーの中で最も重要なキャッチフレーズの作り方」「説得力アップのためのフレームワークとレトリックの紹介」の2点に重点を置き、動かす、読まれるWebコピーの発想と作り方を伝授します。キャッチコピー、ボディコピーを実際に書いていただき、その場で講師が添削するワークショップの時間を設けています。