先進的なセグメンテーションを実現する3つのポイント
ジョーダン氏の講演では、先進的なセグメンテーションを実現するために必要な3つのポイントが明らかにされました。
高度なデータ取得
ひとつ目は「高度なデータ取得から始まる」ということ。そのためにピクセル(情報を取得するために埋め込む小さな画像)を使う方法は死んでいる、とジョーダン氏は言います。
「オンラインの画像広告にピクセルを使っているようでは、それだけの情報しか取得できません。取得できた情報が制限されているということは、当然セグメントも制限されるということなのです。」

「すべてのデータをひとつのシステムに集めて、ハブとすること。そして、データを広告配信システムに送り込んだり、受け取ったりすることでデータのエコシステムを構築することが可能になります。
データは自社サイト以外にもたくさんあります。動画・モバイル・ソーシャルからの情報、CRMから得られるカスタマー情報、アドサーバーやDSPに保存されている情報、サードパーティーのデータ購入などが考えられます。考えうるすべての情報をリストアップし、必要な情報を取捨選択してまとめましょう。」
セグメントの粒度
ふたつ目は「セグメントの粒度を細かくしていくこと」です。「あるメーカーのカメラに興味があるユーザー」ではなく、「あるメーカーのこの価格帯で、この機能に興味があるユーザー」というセグメントを作成します。家電のサイトであれば、ユーザーの行動から以下のような情報を取得し、セグメントの作成に利用することができます。
- 商品のカテゴリ: 興味がある機能や、購入できる価格帯
- SKU(商品番号): 商品そのもの
- 来訪回数・頻度: ユーザーの興味の度合い・購入プロセスまでのステージ把握
- 商品やカテゴリの滞在時間: 興味の度合い
「セグメンテーションを細かいレベルで作成することによって、より精度が高いレコメンドやターゲティングが可能になります。しかし、これらのセグメンテーションは、常に量と効果を把握し、改善し続ける必要があります」と語るジョーダン氏。効果を把握するために、アドビ システムズが提供している製品「Adobe AudienceManager」を紹介しました。
このツールは複数のソースのデータをひとつにまとめ、ツール内でセグメンテーションを作成し、広告配信システムにそのセグメンテーションを送り込み、ターゲティング広告を実現するための管理プラットフォームです。

Adobe AudienceManagerを利用すると、作成したセグメントの対象ボリューム・インプレッション・クリック・コンバージョンなどの効果を一目で確認することができます。これは第三者配信のデータとアドビ社のアクセス解析ツールであるSiteCatalystのデータを取り込むことによって、情報を取得し実現しています。「インプレッションが多いけれど、クリックやコンバージョンが少ないセグメントを見つけて、セグメントの変更・削除・統合などを行いましょう」とジョーダン氏はアドバイスしました。