ソーシャル時代、人と企業はどのようにして出会い、付き合っていけばいいのでしょうか。採用におけるソーシャルコミュニケーションについて、エンジニア向けコミュニティ「Forkwell」、ブログ「ソーシャルリクルーティングの世界」を運営する、garbs代表・池見幸浩氏が論じます。
前回、企業が自社をアピールするための手法である「エンプロイヤーブランディング」をお届けしました。今回は、ビジネスパーソンが自らをアピールするために必要となる「セルフブランディング」についてです。
進むキャリア形成の欧米化 でもシリコンバレーの話は「一般論」?
政治経済の動乱時や不況に突入すると、書店には「起業」や「転職」することが成功の近道であるという指南書が溢れ、至るところに人材ビジネス事業者の広告が目につくようになります。
「アメリカでは、もっと転職が一般的だ!」
「会社に帰属する時代はもう終わった」
「今こそやりたいことで起業!」
たしかにこうした考え方にも一理あります。「欧米的ワークスタイル」を推奨する書籍も少なくありません。しかしながら、シリコンバレーやウォール街など、非常に特殊で限られた人たちのみに通用するスタイルを万人に当てはめようとしているものもあり、非常にキケンです。
もともと我々日本人は、新渡戸稲造の「武士道」にあるように、宗教教育がない中で、「道徳」を子孫に教育するために論語をはじめとした中国古典をベースにしてきたという事実があります。
日本の教育における「仕事」とは、欧米のように賃金を得る手段ではなく、仕事を通じて人間形成をするいわば修行の場という位置づけだったのです。いわゆるキャリアアップについても、「修養」という「自らの身を修め、徳を養う」とする概念がもとになっています。
論語をベースにしたこの職業観は、近代経済においても脈々と息づき、多くの偉大な経営者がこの概念を礎とする就業に対する考えを広めました。
しかし、武士道にあるような概念が支えた戦後からの日本の「終身雇用」は、バブル崩壊や長引く不況、経済のグローバル化の波の中でもはや立ちゆかなくなりつつあります。
日本でも、「転職」はすでに一般的となり、一生同じ会社で勤め上げるというケースも少なくなりつつあります。「第二新卒」といったような言葉に代表されるように、大学を卒業して入社した社会人が2~3年もしないうちに転職することや、ハイクラスのビジネスパーソンがよりよい条件・キャリアアップを求めて転職するのも、もはやめずらしいことではなくなりました。
そのような環境の中、ソーシャルメディアが普及すると同時に「セルフブランディング」という単語も目にすることが増えました。
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池見 幸浩(イケミ ユキヒロ)
株式会社garbs 代表取締役。2004年3月に3,000社以上が利用する国内最大級の人材紹介会社向けのマーケットサイト「人財紹介net」の企画・運営を行なう株式会社groovesを設立。2011年1月には国内初のソーシャルリクルーティングサービスの企画・運営を行なう株式会社garbsを設立し、エンジニア向けのコミュニティForkwellを運営。現在、グループで世界19ヵ国、約5,000社のユーザーへインター...
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