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ソーシャル時代の「はたらく」コミュニケーション

ソーシャル転職の成否を左右するセルフブランディング
「なりたい自分」を明確にし、ツールとして活用せよ


セルフブランディングは「自分をよく見せること」ではない

 まずは、ブランド、ブランディングという言葉を考えましょう。ブランドとは、名前、ロゴ、外観など目に見えるものに加え、それを受け取る人が持つイメージ、経験、ストーリーなどによって形作られるものです。これらを総合して、取り巻く人たちが評価した結果がブランドであるといえます。この考え方を「自分」に適用したものがセルフブランドといえるでしょう。

 では、誰かが自分のことを噂にしているとき、その人は自分のことをなんと表現するでしょうか。「信頼できる人」「頭の回転の早い人」「センスのよい人」「やさしい人」「いじわるな人」「せこい人」「うさんくさい人」……。これが、その人に持たれているブランドイメージだといえます。

 セルフブランディングを、自分をよく見せること、あるいは本来の自分とは違う自分を作って見せることだと思っている人がいますが、これは間違いです。

 セルフブランディングとは自分が理想とする姿に近づくためのすべての活動で、その活動を通して周囲の人に認知してもらうことです。理想とする姿というのは、企業であれば「企業ミッション」にあたるでしょう。

 その活動を通して、周囲の人が持つイメージと自分の理想が一致すればいいのですが、必ずしもそうなるとは限りません。ブランドイメージにズレがあれば、そう解釈された過程を分析し、さらに戦略を立てる必要があります。よって、1週間、1ヶ月という短期間で実現できるものではないことを理解してください。

ソーシャルメディアはあなたのセルフブランディングに最適か?

 まずは現在の自分を分析し、理想を定義し、どうすればその理想に近づけるかを考えてみてください。その次に、ソーシャルメディアがそのための手段として適切なのかを考えます。

 ソーシャルメディアは情報を発信するツールであり、他の人とコミュニケーションするためのツールです。理想の実現にソーシャルメディアが相容れないものであれば使う必要はありませんし、他の方法でセルフブランディングすればよいのです。

 セルフブランディングは、自分を取り繕ってみせかけることではありません。セルフブランディングとは、自分が本当に情熱をかけていること、興味を持っていることをアピールして自分というブランドを確立してみんなに知ってもらうことで、それは一定の期間をかけて作り上げるものです。

 2005年前後には「パーソナルブランディング」という用語で、一世を風靡したセルフブランディングの概念は新しいものではないものの、ソーシャルメディアを多様することで今までよりとても簡単に実行できるようになりました。

 自らの履歴書をインフォグラフィックで表現することでデザイン職種での内定を勝ち取った学生(参照:関連リンク)や、今最も注目度の高いPinterestを活用することで望む形での転職を実現させた女性(同参照)などの成功例が出ています。

 新しい手法でアプローチすることで、自らの理想とするスタイルを実現する例がたくさん生まれ始めています。そのためにはまず、「自分が理想とする姿」を探求するところから始めていくことが大切です。

まとめ

 連載2回目は「セルフブランディング」についてお届けしましたが、いかがでしたか? 講演会などで、よく「就職(転職)用のセルフブランディングのためにブログを書き始めたほうがよいでしょうか?」「Twitterで業界の感度高い情報を発信すべきでしょうか?」など安易なソーシャルメディアの活用を考えていらっしゃる方がいらっしゃいますが、それらがすべてプラスになるとは我々は考えていません。

 人事担当者や人材ビジネス事業者もプロとして、収集できる情報から人物をある程度まで分析できる以上、安易な取り組みはすべてバレてしまうためです。ソーシャルリクルーティングという「SNSを活用した企業の採用手法」は、企業にとってこれまで以上にさまざまな情報を円滑に収集できる側面を持ち合わせており、必ずしも求職者にとってプラスとは言えない場合もあります。

 次回はこうした状況を踏まえ、ビジネスパーソンがソーシャルメディアを活用する上で知っておきたいことをお届けします。

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この記事の著者

池見 幸浩(イケミ ユキヒロ)

 株式会社garbs 代表取締役。2004年3月に3,000社以上が利用する国内最大級の人材紹介会社向けのマーケットサイト「人財紹介net」の企画・運営を行なう株式会社groovesを設立。2011年1月には国内初のソーシャルリクルーティングサービスの企画・運営を行なう株式会社garbsを設立し、エンジニア向けのコミュニティForkwellを運営。現在、グループで世界19ヵ国、約5,000社のユーザーへインター...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/09/12 14:37 https://markezine.jp/article/detail/15691

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