鉄は熱いうちに打て! ウェルカムプログラムの実際
次に紹介するのは2日目のブレイクアウトセッションの一つ。「Drive inbox action on day one. At permission capture, your customer is ready and willing」と題したセッションでは、登録直後のプログラムの重要性が強調され、3つの会社の具体的な取り組みが紹介された。
「鉄は熱いうちに打て」というのは私自身Eメールマーケティングに長年取り組んできて痛切に感じる重要なセオリーである。ユーザーは登録したりパーミッションをオンにした瞬間にその商品や会社のことを最も強く意識している。
このタイミングでならユーザーは色々な情報を受け取ってくれるし、むしろ求めている。適切なアプローチができればすぐに反応してくれる。
このセッションではKeyBankのジョナサン・ボイヤー氏、ジェネラルセッションでも登壇したScottradeのエイプリル・ミューレン氏、The Vitamin Shoppeのリズ・スベルマン氏の3人がそれぞれの事例を発表した。ここではKeyBankとScottradeの2社について紹介する。

リアルとのシームレスな連携とパーソナライズが鍵
KeyBankは歴史のある中堅クラスのリージョナルバンクだが、オンラインバンキングにはとても力を入れているようだ。
ウェルカムプログラムはEメールだけでなくアウトバウンドコールやダイレクトメールと組み合わせて設計されている。それぞれのコミュニケーションの役割がきちんと定義されていて、タイミングや順序もきちんと計算されている。
これまでEメールはアウトバウンドコールと郵送DMの補完のような位置付けだったが、顧客データに基づいてカスタマイズされたパーソナライズドメールを開始したところ、その効果が非常に高いという。(下の画像がKeyBankのウェルカムプログラムのフロー。緑色に着色されているのがパーソナライズドメールだ。)

Scottrade:テストと最適化の連続でプログラムを常に改善
Scottradeの場合は試行錯誤の結果、かなり複雑なウェルカムプログラムが出来上がった。印象的なのはメールごとに目的とそのためのコンテンツが明確に定義されていて、アウトバウンドコールやウェルカムキットの郵送も含めた緻密なプログラムになっていることだ。
常にテストと最適化を続けていて、最近もテストを繰り返してクリエイティブを改良したそうだ。改良前に比べてクリック率が10%程度向上し、オプトアウト率を75%抑制することができたという。

ウェルカムプログラムはアウトバウンドコールやダイレクトメールと組み合わせて実施されることが多い。どの事例もオンラインだけでなく、全てのタッチポイントを上手く連携させて一連のコミュニケーションシナリオにしている点が印象に残った。
また、どのパネリストも異口同音にテストによる最適化の繰り返しが重要であること、そのPDCAサイクルのスピードを強く意識していることを語っていた。Responsys Interact Suiteは素早くテストプログラムを設定し、最適化を繰り返しながら簡単にプログラムの改善を図れる点が非常に高く評価されているようだった。