成長するフィリピンBPO産業
アメリカやヨーロッパなどの外資系企業は、数年前からこうしたフィリピン人の特性に注目していて、ルーチンワークやソフトウェア開発を行うBPO(ビジネス アウト ソーシング)の拠点としてフィリピンを選択しています。
BPO産業の市場規模は、2011年期には前年比24%増の約110億米ドルにもなり、これはフィリピンの国内総生産の約5%に相当する数字です。なかでもコールセンター(コンタクトセンター)の市場は2011年時点で74億米ドルにも上り、今やインドを抜き世界最大のコールセンター大国になっています。指示を素直に受け入れる国民性もBPO事業に適しているといえるのかもしれません。
フィリピンのインターネット業界
フィリピンのインターネット広告予算規模は2010年時点で2300万米ドル(約18億円)ほどで、市場規模としてはまだまだという印象ですが、特筆すべきはFacebookユーザーの数です。
Facebookのユーザー数は、日本の2倍以上となる2700万人にのぼり、世界213か国の堂々8位にランクイン。フィリピンインターネットユーザーのほぼ100%近くがFacebookを利用しています。
フィリピンにはバイラル効果が生まれるのに十分なユーザー数がおり、Facebookを使ったマーケティングがローカルマーケットにおいて高い効果を出せることは弊社の実績でも実証されています。
我々が日系の飲食店向けにFacebookページの作成、運用コンサルティングを行った事例では、もともとあったFacebookページのデザインを一新し、「Like」を押してくれたユーザーにクーポン券を配るというシンプルなしかけを提供。より直接的に店舗に人を集客できるようにページを改善しました。その結果、店舗への集客数や問い合わせ数、売上が顕著に伸び、デザイン変更後4か月に、その店の開店以来最高の売上を達成しました。
この成果は、デザイン変更後に高いページ更新の頻度を保ち続けた店舗運営者の営業努力の賜物であったことは間違いありませんが、Facebookページがローカルマーケット向けのマーケティングツールとして非常に有効であること、また、フィリピンのオンライン市場は未熟ではあるものの、ユーザーのインターネット利用頻度や、その影響力は想像以上に高まっていることが確認できた事例となりました。
