シナリオの柱となる「スリーポイント」抽出法
長いコピーが苦手な人は、まずシナリオを作ることから始めよう。それには、シナリオを構成するパートを考えること。そしてそれは、以下の3つの問いかけによって抽出される。これがシナリオの柱となるスリーポイントだ。
3つの問いかけ
- 商品のメリットは何か(ユーザにどんな得をもたらすか)?
- メリットを実現している機能、あるいは特徴は何か?
- 機能、特徴のしくみや働き、品質は何か?
では、問いかけの答えからシナリオをどう作るか、AppleのサイトのMacBook Proのコピーを参考に見てみよう。Retinaディスプレイの紹介についてだ。
1.の答え=メリット
驚くほど鮮やかで、細部までシャープに映し出される。写真や動画を観るのが楽しい。
2.の答え=機能・特徴
510万ピクセルを持つRetinaディスプレイ。
3.の答え=機能・特徴の品質
2,880×1,800の高解像度、ハイビジョンテレビより300万も多いピクセル数。ピクセル密度が高いと画像はいちだんと現実に近くなる。
次に、スリーポイントをあまりいじらずにつなげてボディコピーを作ってみると……
例) 写真も動画も驚くほど鮮やか。それを実現したのが510万ピクセルを持つRetinaディスプレイです。2,880×1,800の高解像度、つまりハイビジョンテレビより300万も多いピクセル数を持っています。ピクセル密度がとても高いので、画像は細部までシャープに映し出され、再現力はいちだんと現実に近づきました。
はじめに<写真も動画も驚くほど鮮やか>というメリットを出して、次にメリットを実現した機能<Retinaディスプレイ>を紹介し、<2,880×1,800の高解像度><ハイビジョンテレビより多いピクセル数><ピクセル密度がとても高いので、画像は細部までシャープ>といった機能の品質がいかに優れているかを証明している。
なお、シナリオの構造が分かりやすいように150字以内でまとめたが、200文字、300文字の分量が必要な場合は、各パートをさらに詳しく説明して情報を足していくといい。
長いコピーが苦手な人は、先に挙げた3つの質問からスリーポイントを出してシナリオを作って書くとずいぶん楽になる。文章表現やコピーの見せ方はさまざまだが、Webの商品紹介記事や紙の商品カタログでも、ほぼ同じ構造で書かれてある。
ほかのコピーのシナリオがどう構成されているかを読み解きながら、マネをして書いてみるのが上手くなる近道だと思う。スリーポイントが含まれて、それらの関係性が分かるように構成されていればほぼ大丈夫だ。
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「コピーの中で最も重要なキャッチフレーズの作り方」「説得力アップのためのフレームワークとレトリックの紹介」の2点に重点を置き、動かす、読まれるWebコピーの発想と作り方を伝授します。キャッチコピー、ボディコピーを実際に書いていただき、その場で講師が添削するワークショップの時間を設けています。