2008年 「黎明期」の狼煙が上がる
App Storeが開設されたのは、2008年7月。この年の年間ランキングを見ると、有料ソフトでは「ボンバーマンTOUCH」や「Super Monkey Ball」、無料ソフトでは「Morocco」や「Labyrinth Lite Edition」と、まだまだ黎明期らしい大手のR&D的なプロジェクトや個人開発のカジュアルなゲームが並んでいます。
このランキングを見ても実用系のアプリが全盛で、ゲームに限らずエンターテイメントは市場が確立されていないのがわかります。
2009年 「半移植タイトル」の戦い
1年後の2009年のランキングです。この年から、ゲームだけのランキングが存在している通り、エンターテイメントの存在感が増してきているのがわかります。タイトルを見ると「バイオハザード4」や「スペースインベーダー インフィニティジーン」、「METAL GEAR SOLID TOUCH」など、大手ゲームメーカーが自社のIPタイトル(各社が持っている知的財産[Intellectual Property]を使ったゲーム)をタッチデバイス操作に最適化し、移植したタイトルが並んでいます。
本格的なゲームも増えてきて、大手ゲームメーカー主体で市場が形成されていくのがわかります。ちなみに、この年からフィーチャーフォン(従来の携帯端末)で、DeNAとGREEが無料提供のアイテム課金型のゲームをスタートさせました。しかしApp Store自体は、まだまだ有料でアプリを売るビジネスが主体なのが特徴的です。
2010年 「大型タイトル」出現
2010年のランキング。この年からトップセールスランキングが公表され、アプリ市場全体を見てもビジネスができる規模になってきたことがわかります。ちょっとわかりづらいのですが、上から無料ランキング、有料ランキング、トップセールスランキングになります。
無料ランキングは相変わらず個人開発のカジュアルゲームが並んでいますが、有料やトップセールスランキングの方は、「ストリートファイターIV」や「FINAL FANTASY」シリーズ、「太鼓の達人」など、2009年に比べ精度の高い移植タイトルが並んでいます。また特徴的なのは、有料ランキングとトップセールスランキングの内容がほぼ同じことです。
そしてスマートフォンゲーム業界的に一番大きいのは、コンシューマタイトルと比べても遜色のないスマートフォン専用RPGとして「CHAOS RINGS」が出てきたことです。これは据え置き、携帯機に続く第三のプラットフォームとして、スマートフォンが大手メーカー内において脚光を浴びてきていることの現れです。なおこの裏では、DeNAとGREEがプラットフォームのオープン化に踏み切っています。
