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次の10年はデータに裏打ちされた「統合CRM」の時代
新会社トランスコスモス・アナリティクスのトップ2人が語る

次の10年は「統合CRM」の時代

MZ:そのCRM(Customer Relationship Management )という点について、もう少し詳しくおうかがいしたいのですが。

萩原:今は顧客と企業の接点に山のようにデータがあります。売上データ、顧客データ、アクセスデータ、アンケートデータ、外部には広告の出稿データがある。これまではひとつひとつが独立していて、方法も管轄部署も違っていました。

 しかし現在では、それらをできるだけ紐付けしていこうという動きがあります。たとえば、コールセンターに電話かけたときに、お客様の履歴がオペレーターの手元に表示される。そこにアクセスデータをつなげたり、外部のSNSのデータ、Facebookのアカウントと顧客データを一緒にすることが可能になるかもしれない。

 それが良いことなのか、どんな価値があるかは、これから試行錯誤することになります。ただ1人の人間のデータがいろんなところに散らばっている。それらをつなげていくことで、今までできなかったような知見や施策を生み出そうという気運を非常に感じます。

 トランスコスモスの場合も、コールログ、アクセス解析ログなど、気付いたらさまざまなデータを持っていた。それをひとつひとつ「CRM」という切り口でつないで、お客様に統合的な提案ができないかと思っています。

河野:もともと弊社はコールセンター、BPO、デジタルマーケティング事業の会社です。部下にも言っているんですが、分析のための分析はやっても意味がない。やっぱり分析した結果がちゃんと施策に落として実行した結果がどうだったのか。PDCAがきちんとまわせなければダメなんです。

 分析というと何か高度なことをやっているように思われがちですが、高度な分析手法を駆使しているのは20%くらいで、基本的にはクロス集計表と円グラフ、棒グラフで業務の80%くらいは事足ります。大事なのは、分析結果から「何が読み取れるのか」「どんな仮説が導き出せるのか」を説明し、経営トップの方に分かりやすくお伝えするプレゼンテーション技術です。

萩原:私がいたネットレイティングスは調査だけでした。2009年にトランスコスモスに帰ってきて、コールセンターや制作の現場を見て、結局企業はそこで動いていると感じました。その中にデータを組み込んでいくというのは、調査会社でもコンサルでも難しいと思います。

 「統合CRM」という考え方は、いろんな会社や業界が持っています。広告代理店は、広告・コミュニケーションが得意分野ですが、今さかんに「CRM」と言い始めている、そこに必要なのは分析する力と、実際に分析結果から導き出される仮説や施策を顧客接点に落とし込む事業。そういう意味では、弊社には大きな強味があると思います。次の10年はいろんなプレイヤーや業界が、「統合CRM」に注力していくでしょう。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/09/14 11:00 https://markezine.jp/article/detail/16263

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