いまのところ純粋な意味でのクチコミは誘発していない
次にこの2社のSecond Life関連のブログカキコミ数をブログクチコミサーチを用いて調べた結果が下記だ(オレンジがTOYOTA、青がNISSAN)。しかし、ブログに書き込まれた内容のほとんどは、メディアに取り上げられた記事の流用が大半。つまり、現状ではSecond Lifeに「参入した」もしくは、新しい試みに「取り組んだ」部分がフォーカスされていて、実際のマーケティング活動としての効果はまだ未知数というわけだ。

これらの調査から、このチームは、はじめの3つの疑問に対して、下記の結論を得ている。
- Second Lifeはクチコミを誘発するか?
→純粋な意味での、クチコミはあまり誘発しないのではないか?ブログの書き込まれている内容はほとんどがメディア記事の二次データのため、パブリシティという意味が大きい。 - Second Lifeに進出することは、結果としてパブリシティ効果を生むのか?
→パブリシティ効果は非常に高い。しかし、Second Lifeに関しての記事/ニュースはやや食傷気味なので、今後はパブリシティ効果を狙うのであれば、さらに切り口が必要。 - Second Life内でのテストマーケティングは可能か?/顧客の囲い込みは可能か?
→利用者数の絶対数が少ないため、マーケティング的な数値としての信頼性は低い。
これらの結論から「Second Lifeに進出している企業はパブリシティ効果以外は効果をあげていないのが現状」という結論を導きだした。
クチコミ博士磯部さんからのコメント
さて、最後にブログから導く消費者の生の声!クチコミデータ有効活用への道 連載でおなじみの、磯部氏にこの発表についての感想を聞いてみた。
Second Lifeは登場のインパクトが大きかったため、さまざまな企業やメディアが取り上げて「Second Life狂騒曲」と化していたわけだが、その現象の一端をうまく捉えた発表だった。とはいえ、新しいプラットフォームとして、未知なる可能性を秘めているのも事実。狂騒曲がひと段落した今後の変化も追っていけば、より興味深いリサーチとなるだろう。
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