Bypassがバージョンアップ、さらに高度な運用が可能に
Bypassは10月26日、広告効果をさらに押し上げる一連の機能をリリースした。「レコメンド配信」「クリエイティブ最適化」「シナリオ配信」という3機能の追加が主な変更点。これまでよりも高度な運用が可能になる。これらの機能によって、Bypassの運用はどう変わるのか。詳しく掘り下げていこう。
先行例でCTR 1.5倍、CVR 2倍の実績。ユーザー単位で最適なクリエイティブを選ぶ「レコメンド配信」
今回加わった主な機能の1つが「レコメンド配信」。配信するクリエイティブについて、広告枠単位ではなくユーザー単位で自動的に最適なものを選んでくれる。
配信するクリエイティブを決めるために、まずは対象となるユーザーの行動履歴を参照。ECサイトの場合なら、過去に閲覧された製品や同カテゴリの製品の広告を表示。あるいは協調フィルタリングを用いて、同じような行動履歴を持つユーザーが購入した製品の広告を配信する。
「レコメンド配信はPC向けのDSPでかなり注目されている機能です。スマホ向けDSPでいち早く導入しました。ECや旅行、不動産、人材などの業界で、特に効果があるのではないでしょうか。実はBypassを利用されているお客様の中には、他社のレコメンドエンジンを使ってレコメンド配信を既に試されたところがあります。クリック率(CTR)で1.5倍ほど、コンバージョン率(CVR)で2倍ほどパフォーマンスが良くなりました。Bypassで今回採用したものとは別のエンジンでの実績ですが、同程度の効果は見込めるのではないでしょうか」
クリック課金型の運用よりもさらにCPCを引き下げるために開発された「クリエイティブ最適化」
続いて紹介するのは「クリエイティブ最適化」。CTRを上げるためにクリエイティブ配信を最適化してくれる機能だ。Bypassでは現在、広告がクリックされる単価(CPC)の目標値を入力して、あとは最適化機能に任せるクリック課金型の運用が推奨されている。
しかし、さらにCPCを引き下げたいという声が、Bypass利用企業の中から出てくるようになった。そうした企業にはクリック課金からCPM(Cost per mille:広告掲載1000回当たりの単価)課金に切り替えてもらい、CTRを上げることでCPCを減らしてもらおうと考えた。利用企業からの要望に応える形で開発された機能なのだ。
広告接触回数ごとにクリエイティブを出し分ける「シナリオ配信」
最後に取り上げるのは「シナリオ配信」の機能。以前の記事で、スマホ広告は接触回数が25回前後までそれほど落ちないことに触れた。この機能が実装されたことで、接触回数ごとにクリエイティブをきめ細かく変更し、広告効果を改善していく運用が可能になった(参考記事)。
例えば、接触回数の少ない間は人気の製品を訴求する一般向けのクリエイティブを配信。何度も広告を見てユーザーが飽き始めたところで、「こんなに多くの人が購入しているのに、あなたはまだ買っていないんですか!?」と煽る広告を出す。それでもクリックしてくれない人には、価格帯が一段低いお手ごろな製品に切り替えて訴求するのが効果的かもしれない。
そのように、広告接触回数ごとのユーザーの反応を想像してシナリオを作成していくことで、より高度なユーザーとのコミュニケーションを実現できるようになったわけだ。