ポイント3:「プロジェクトチームの編成」
最後のポイントは「プロジェクトチームの編成」である。KPOの守備範囲は市場調査から戦略、戦術の立案、施策の実行、効果検証まで多岐にわたる。そのすべてをKPOベンダーに丸投げするのは現実的ではない。ゴールに到達するために、まず関連する部門から、エキスパートを部門横断的にチームメンバーとして選任しプロジェクトチームを編成するのが理想的である。
ここで注意したいのは、「調査しました。分析しました、施策に落とし込みました、だけど現場で施策を実行できません」という最悪のケースを回避するために、施策を企画、立案する部門と、施策を実行する部門の担当者を必ずプロジェクトメンバーに加え、両者のコミュニケーションを密にする工夫をすべきである。もちろん、施策実行のためには既存システムの改修が必要な場合が多いので、情報システム部門のエキスパートの参加も必要不可欠である。また、この段階でKPOベンダーのプロジェクト内での役割を明確にし、できればその役割をドキュメントに落とし込んで双方の合意を得ておくことが理想的である。
分析力を競争力へ、競争力を収益へ
以上で本連載は終了するが、ほんの一部でも、読者の皆様の企業におけるビジネス推進、拡大のお役に立つヒントになれば幸いである。
最後に、日本においてデータサイエンティストという職種の重要性と価値が広く認識され、KPOが国内に広く普及し、「分析力を競争力へ、競争力を収益へ」導くことで、グローバルで日本企業のプレゼンスを上げ、結果、日本の国力再生が図られることを切に願い、本連載を締めくくりたいと思う。ご拝読ありがとうございました。