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イベントレポート

「アトリビューション・マネジメント:アトリビューションがもたらすマス広告も含めたマーケティング効果とは?」【アドテック東京2012講演レポート】


ビュースルーコンバージョンの重複カウント問題

 では、データを含めた具体的な事例を見ていこう。以下は田中氏が解説する。

 「ビュースルーコンバージョンを計測する場合を見てみよう。この場合、DSP→純広告→DSP→アドネットワーク→ポータルで検索→流入→CVというパスを描いている。アクセス解析/効果測定ツールでビュースルーコンバージョンを計測しようとすると、それぞれがカウントしてしまい、ビュースルーコンバージョンは4件とカウントしてしまう場合がある。

Fringe81株式会社
代表取締役 田中弦氏

 第三者配信アドサーバーであれば、最後にビューしていた媒体、すなわちここで言えばアドネットワークのみをビュースルーコンバージョンとしてカウントし、重複をさけることができる。

 実際、約3億impのうち、ビュースルーコンバージョンは約70%の重複が起きていた。アトリビューション分析を行うためには、広告の重複を排除してコンバージョンを計測することが必須だが、これまでの測定方法ではデータを信用することがむずかしかった。第三者配信アドサーバーを導入することで、はじめて広告及び媒体を正しく評価することができるようになる」(田中氏)

 

顧客の態度変容プロセスから文脈を見い出す

 第三者配信アドサーバーが登場したことにより、ビューまで含めたコンバージョンパスデータが見えるようになってきた。セッションベースではなく、クッキーベースで1人のユーザーがコンバージョンするまでの一連の流れをカスタマージャーニーと呼ぶ。

 田中氏は旅行旅行代理店のユーザーコンバージョンまでのデータをもとに、解説を始めた。

 「このデータから、顧客が何を考えているのかまで見えてくる。まず、この顧客は8月16日20時59分、ヤフーで『旅行』というキーワードで検索を行った。そしてここから、Googleのリマーケティングが始まった」(田中氏)

 「8月20日から8月27日の間で、韓国からグアムに心移りしたところに、テレビCMの影響などもあるかもしれない。それを想像するのも面白い」(横山氏)

 「このデータは、単にサーチだけ計測していているのとはぜんぜん違う。初めに検索したところから、何度もリマーケティングにひっかかって、だんだん興味をもって、買おうという気持ちに変化した。このようにセッションごとに時系列に並べてみることで、顧客が何を考えているのかわかってくる。

 媒体ごとに評価をするのではなくて、顧客がどのように行動をしていて、その行動にきっかけを与えた媒体が何かわかること。それがカスタマージャーニーの非常に面白いところであり、これこそアトリビューション分析を行う際のもとのデータとなる」(田中氏)

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リ・アロケーションの考え方

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2012/11/22 11:36 https://markezine.jp/article/detail/16714

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