そもそもコンバージョン、きちんと計測できてる?

有薗雄一氏
まず、アトリビューションを議論する前段階における最もクリティカルなテーマ、コンバージョンのカウントについて議論が始まった。そもそもコンバージョンがきちんと計測できているのか、ダブルカウントの問題についての説明を、横山氏は有薗氏に求めた。
「最初に、コンバージョンの重複カウントの問題を定義したい」と有薗氏は説明を始めた。
ダブルカウント問題

「これはコンバージョンに至る経路のサンプル。あるDSPでバナー広告がクリックされ、広告主のサイトに入って離脱した。次にヤフーのリスティング広告がクリックされ、広告主のサイトに入って再び離脱。最後にGoogleのアドワーズ広告をクリックして流入し、コンバージョンした。
上記の場合、発生しているコンバージョンは1CVである。しかしながら、このような現象が起きた際、各媒体社から提出されるレポートには、それぞれ1CVずつカウントされており、合計で3CVあったように数値上見えてしまう。
なぜDSPやヤフーでも1CVとカウントされてしまうのか。その理屈は、cookieの有効期間内であれば、両社からすると自社のリスティング広告ではこれが最後にクリックされてコンバージョンに至ったというデータが出てしまうからだ」(有薗氏)
ラストクリック重視

「多くの広告主が導入しているアクセス解析/広告測定ツールを利用することで、ラストの媒体だけ1CVカウントされ、ダブルカウント問題は避けられる。よってSiteCatalystなどのアクセス解析ツールで統一管理をしよう、というのがこれまでの流れであった」(有薗氏)
第三者配信エンジンを利用する意味

「では、インプレッションを扱う場合を考えてみよう。バナーのインプレッションの直後に自然検索が発生。そしてクリックされてコンバージョンに至る場合は、広告主によっても異なるが、全体のコンバージョンのおよそ20%を占める。それが5分以内に発生した自然検索であれば、バナー広告のインプレッションが影響して自然検索を行い、コンバージョンに結びついたと考えることは容易だろう。
インプレッションまで把握したい場合、アクセス解析/広告測定ツールでは必要な全てのデータを取ることができない。それを解決するのが、第3者配信エンジンだ。これを導入することで、バナーのインプレッションまで含めたコンバージョンパスデータの経路を見ることができ、かつ重複CVの問題を回避することができる」(有薗氏)