アーンドメディアの再定義
トリプルメディアマーケティングと言われ始めて久しい。ソーシャルメディアの台頭とともに、3つのメディアの一つ、アーンドメディアが注目され始めた。この背景から、アーンドメディア=ソーシャルメディアと認識している人も少なくはない。
しかしながらPRの世界では、戦略的PRという概念があるように、メディアにニュースとして取り上げてもらうように働きかける。つまり、テレビや新聞、ラジオ等はペイドメディアであり、アーンドメディアでもある。ペイドメディアとアーンドメディアの仕組みを再定義することが、このプロジェクトの前提にある。
1、トリプルメディアのうち、コントロール可能なオウンドメディア、ペイドメディアに着目
2、中でも「アーンド&ペイド」という特殊な立ち位置を持つコンテンツメディアの活用を強化する(広告及びコンテンツの双方を強化)
「ユーザー側の反応を待つだけではなく、マーケティングであるからには、アーンドメディアにおいてもやはり主導的にメッセージを伝えていくことが行われるべき。そのためには、発信力のあるメディアとソーシャルメディアを組み合わせてプランニングしていく必要がある。
これまでのコンテンツは決まった広告フォーマットの中でつくってきた。これからは、広告フォーマットから離れた領域で、戦略的PRの目線でアプローチしていく情報クリエイティブが重要になってくる。昔はとてもシンプルだったが、非常に複雑になってきた今こそ、根幹をなすシナリオづくりが改めて重要になってきた」と横山氏は示唆する。
プロジェクトの4つのポイント
プロジェクトのポイントは下記の4つだ。
1、広告に加え、コンテンツがユーザーに及ぼす影響を測定する
2、新たな中間KPIを設定し、マーケティングマネジメントに活かす
3、1・2を踏まえ、ユーザーの心を動かすコンテキストを発見し、対応するパワーコンテンツを設計・制作する
4、全体を通じて、需要創出→刈り取りの好循環を創出する
1、コンテンツがユーザーに及ぼす影響の測定
このプロジェクトにおける「コンテンツ」とは「広告でないもの」のことだ。基本的には純粋な記事、編集タイアップ記事、そしてWebサイト内のコンテンツの3つ。これらをバラバラではなく連動性のあるものとして展開し、それらに全てタグをはって測定していく。
2、新たな中間KPI
これまでのKGIとKPIの関係は、往々にして非常にKGIに近いKPIを設定していた。そのKPIをよくするために、新たな中間KPI、つまりKPIのKPIを設定する。3、文脈の発見とパワーコンテンツ設計
ユーザーの態度を変容させる文脈を発見し、それに強いコンテンツを構築・制作していく。それによって、中間KPIになるコンテンツやサービスを生みだすことができる。4、需要創出→刈り取りの好循環創出
SEMやアフェリエイト等の刈り取り系の施策に偏重しすぎた結果、全体効率が低下している現状を改善する。