プロジェクトのアトリビューション設計

取締役COO 有薗雄一氏
このプロジェクトにおいて、アタラは広告及びコンテンツのアトリビューション分析を担う。
「今まで、通常のアクセス解析ツールでは、計測できるラストの媒体の貢献度しか評価していなかった。その結果、ラストに強い媒体、主にリスティングやアフェリエイトに対して広告予算が集中しがちであった。
それをコンバージョンに至るまでの全ての流れを可視化し、広告貢献度をはかっていくのがアトリビューションだ。そして、この文脈の中に編集記事も存在しているはずであり、効果を計測していきたい」(有薗氏)
1、ページ訪問者をターゲットしたリターゲティング広告を実施する
2、ページ訪問者は、その広告主の商材への興味関心が高いと想定できる。その訪問者をターゲットした広告配信ができれば高い効果を見込める
3、第三者配信エンジンを使い、全体をトラッキングしアトリビューション分析を行い、広告主への価値と媒体価値を検証する
※ページ訪問者=isMedia群のコンテンツ(タイアップページ・企画ページ等)の訪問者
※第三者配信エンジンで全体をトラッキングし、ビュースルーコンバージョンまでカバーしたアトリビューション分析を実施
「JBプレスのタイアップページや企画ページの記事に第三者配信のタグを入れて、その記事を読んだ人がわかるように訪問者にCookieを付与する。そしてそのCookieに対してリターゲティングを行い、広告を配信していく。それ以外にも、リスティングやDSPなどを使って広告を配信して、記事を読んだ人と読まずに広告だけでコンバージョンした人を比較していきたい」と有薗氏は語る。
メディアプラットフォーム「isMedia」

代表取締役社長 菅原聡氏
日本ビジネスプレスは、プロジェクトを行うプラットフォーム「isMedia」を提供する。
「isMedia」とは、現代ビジネス(講談社)やダイヤモンド・オンライン(ダイヤモンド社)など大手出版社が参画している、デジタルコンテンツ配信のWebプラットフォームである。PVは月間約1.6億、UU2,500万人(2012年9月)であり、メディアコンテンツのクラウドといえる。
「ここに参画する全てのメディアコンテンツは同じ仕組みで動いており、メディアを横断した計測タグの埋め込みなどができる」と菅原氏は述べる。今回のプロジェクトが実現した最大の要は「isMedia」というプラットフォームの存在と言っても過言ではないだろう。
次世代デジタルマーケティングへの期待
最後に、このプロジェクトを統括する横山氏は、「編集記事を読んだ人がコンバージョンに至るかを計測し、記事の影響を測りたい。そして、さらにそれを読んだ人に広告をおくり、新しいリターゲティング広告をつくりたい」とさらなる展望を語る。
これまでのデジタルマーケティングは最適化ばかりに注力され、需要を創造する視点が失われがちであった。本来の広告やPRの役割は、潜在需要を拡大し、未来の顧客を育成していくことであったはずだ。このプロジェクトは、いわばデジタルマーケティングの世界を広げる試みであり、再びマーケティングや広告の世界を面白くする可能性を秘めている。プロジェクトの検証結果は来年2013年2月頃に明かされる。期待をこめて、プロジェクトの結果が待ち遠しい。