先に答えを見せます アンケート結果を散布図で視覚化
今回の事例では、「コク」「香り」「酸味」といった変数と、缶コーヒーという観測対象から成り立っています。回帰分析のときに考えたような説明変数、目的変数といった区別のないデータです。このようなデータを使って、データの特徴(成分)を分析するには、「主成分分析」という方法を使います。
次の散布図は、とりあえず計算結果を省いて、主成分分析の最終出力結果を視覚化したものです。縦軸は「香り」、横軸は「総合力」を表しています。

この散布図を描いてデータの特色をつかむことが今回のテーマです。この図から、たとえば次のことがわかります。総合的に1番人気なのは、「サンマルタ」、総合評価では低いが、「香り」に特色があるのが「UCCB」といった具合です。
そもそも主成分分析とは? ~多次元のデータを効率的に要約する手法~
主成分分析とは、多くの変数を持つデータについてできるだけ情報量を落とさずに、その特性をより少ない次元で明らかにする手法のことです。例えば、次に3 つの例を示します。

ここでの次元とは、変数の数を意味します。このように情報を縮めながら要約するため、主成分分析は、「情報を要約する分析」と呼ばれます。