富士経済は、2012年9~11月にかけて通信販売国内市場の調査を行い、その結果を「通販・eコマースビジネスの実態と今後2012―2013市場編」にて発表した。
物販市場とサービス・デジタルコンテンツ市場を合わせた2012年の通販市場は、前年度比8.0%増の7兆5,269億円が見込まれる。震災の影響で2011年に苦戦した企業の実績回復が見られるほか、通販市場に新規参入する企業の増加、スマートフォン経由での利用増加が市場拡大を後押しする。
物販
2011年の物販市場は、前年比8.4%増の5兆8,280億円となった。通販形態別では、インターネット通販とモバイル通販が物販市場全体の拡大を牽引したほか、規模は小さいもののネットスーパーを中心とした小売拠点型通販が高い伸びを示した。
商品カテゴリー別では、店舗での購入から通販へのシフトが見られるアパレルや書籍・ソフトなどが伸ばしたほか、震災後にミネラルウォーターや保存食などへの需要が高まったことで食品・産直品が大幅に拡大した。一方、家電製品・パソコンは地デジ特需が一段落し微増に留まった。
2012年は、スマートフォンの普及と利用機会の増加によるインターネット通販、モバイル通販の拡大や、震災の影響を受けた企業の実績回復、また、家電製品・パソコンにおいて掃除機や健康・美容家電、タブレット端末など需要拡大が期待される商材への注力などを背景に、物販市場は前年比7.6%増の6兆2,734億円が見込まれる。
サービス・デジタルコンテンツ
2011年のサービス・デジタルコンテンツ市場は、前年比13.1%増の1兆1,405億円となった。参入各社がスマートフォン向けサービスを強化している中、拡大が続いているゲーム配信に加え、音楽関連のチケット販売や電子書籍配信も好調だった。
2012年は、ゲーム配信では収益基盤の一つであったコンプリートガチャのサービス終了を受けて成長が鈍化するものの、スマートフォンの普及に伴いモバイル向けの需要開拓が進んでいることや、好調を維持する音楽関連のチケット販売、市場が活性化している電子書籍配信などが後押しして、サービス・デジタルコンテンツ市場は前年比9.9%増の1兆2,535億円が見込まれる。
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