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「オウンドメディアとソーシャルメディアの垣根がなくなりつつあると感じる」 ソーシャルとの連携を模索する、キリンビールのオウンドメディア戦略

2013/01/30 08:00

 企業のオウンドメディア活用の実態をお伝えする「Owned Media Report」。今回は、7つのソーシャルメディアの公式アカウントを同時開設し、ソーシャルメディアとオウンドメディアの連携を積極的に進めるキリンビールの戦略について紹介します。(聞き手:松矢順一氏)

今回お話を伺ったのは…
キリン株式会社 CSV本部 コーポレートコミュニケーション部 Web推進担当
小川 直樹氏

1992年キリンビール株式会社入社。2004年にインターネット関連業務の部署へ異動。 モバイル、携帯サイトなどを担当。その後、メルシャンの ワインコミュニティサイト「WINESUKI」の開設・運営に着手。現在、キリンビールが運営する7つの公式SNSの戦略立案・PDCAを推進中。

7つのソーシャルメディアの公式アカウントを同時開設

キリン株式会社 小川 直樹氏
キリン株式会社 小川 直樹氏

 —— 2012年4月に7つのソーシャルメディアの公式アカウントを同時に開設した背景を教えてください。

 2011年12月にソーシャルメディア活用を加速させるために、広報部内にWeb室を新設しソーシャルメディアによるコミュニケーションをはじめました。他社と比較するとソーシャルメディア活用が進んでいないという危機感があり、各ブランド担当と連携しながら、どのような体制で対応していくべきか協議を重ねてきました。

 現状ソーシャルメディアの影響力は日々増している状況で、多くのユーザーが集まる場所へと成長しています。このような背景から、コミュニケーションプラットフォームとしての利用強化の促進を会社として決定いたしました。

 後発で参画した状況ですが、ソーシャルメディアを本格的に活用するために特定のサービスだけではなく、フェイスブック、ミクシィ、グーグルプラス、ツイッター、ユーチューブ、グリー、モバゲー(モバイルのみ)という7つのソーシャルメディアの公式アカウントを同時開設しました。

コーポレートサイトにもソーシャルメディアへのリンクが貼られている
コーポレートサイトにもソーシャルメディアへのリンクが貼られている

 7つの公式アカウントを同時開設した意図は、キリンビールとしてソーシャルメディアに本格的に取り組んでいくという意思表示とともに、ソーシャルメディアを通してのお客さまとのコミュニケーションに、本気で取り組んでいく姿勢を示すという点が挙げられます。

 —— 複数のソーシャルメディアで展開するコンテンツはメディア特性に合わせて変えているのでしょうか? それともマルチユース型でしょうか?

 コンテンツに関しては、ひとつの情報ソースを各ソーシャルメディアに合わせてトーン&マナーを調整するようにしています。また、それぞれのソーシャルメディアには、利用規定やポリシーもあります。例えば、お酒の話などがNGなソーシャルメディアもあるので、サービス提供側が提示するルールに則り情報を発信しています。

参加させてもらっている意識が必要

 —— 各ブランド以外のソーシャルメディアを、広報部がまとめて管轄している理由を教えてください。

 私たちは子会社も含め、さまざまなブランドを所有している状況ですが、それぞれのブランドや会社が持つ世界観をユーザーの方々に身近に感じてもらいたいと考えております。その方法として、各ソーシャルメディアの特性に合わせた気軽でライトなコミュニケーションを継続し、世界観を知るきっかけにしていただければと思っております。こうしたコミュニケーションを包括的に行っていくために、広報が管轄することが必要と考えております。

 —— 広報管轄のソーシャルメディアと、各ブランド管轄のソーシャルメディアの運用は分離しているのでしょうか。

 きっちりと分離しているわけではありません。各ブランドは広報Web室がソーシャルメディア活用を進める以前からフェイスブックページを開設していた状況で、ソーシャルメディアポリシーも最初はありませんでした。

 全体を設計し役割分担を決め、進めていくやり方もありますがデジタルコミュニケーションは進化のスピードが早いため体制構築が追いつかないケースもあります。そのため、各ブランドと並行しながらソーシャルメディア活用を展開する方法を現在は選択しています。

 ソーシャルメディア活用に成功しているブランドもあれば、あまり成功していないブランドもあります。新しく立ち上げるブランドや発展途上のブランドに対しては、広報Web室がソーシャルメディア活用をサポートする立場となり、知見やコンテンツ展開のやり方を共有します。広報の立場として企業価値を向上させていくだけでなく、臨機応変にブランド支援にも対応している状況と言えます。

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