インプレスR&Dは、電子書籍ストアの利用率に関する調査結果を発表した。
電子出版ビジネスは、携帯電話(フィーチャーフォン)の時代に花開き、2011年度の市場規模は629億円まで成長。近年はスマートフォンやタブレットといった新端末で新しいビジネスが生まれつつあり、2016年には2000億円市場になると予想されている。
このような状況下、パピレスやイーブックイニシアティブジャパンなどの上場企業に加え、楽天Koboイーブックストア、Reader Store等のメーカー系ストア、Booklive!等の印刷会社系のストアなど多数の企業が電子書籍ストア事業を展開。Google BooksやKindleストア、Appleの参入などもあり、電子書籍ストア競争は激化している。
今回の調査では、「Kindleストア」が40.0%で首位になり、これまでトップを守っていた「紀伊國屋書店BookWebPlus」の13.4%を大きく上回った。「Kindleストア」の日本でのサービス開始は2012年10月25日であったが、短期間で多くのユーザーを獲得したことが明らかに。
注目すべき点は、2位以下の電子書籍ストアの利用率に大きな変動がなかったことだ。「紀伊國屋書店BookWebPlus」「Reader Store」「BookLive!」はそれぞれ利用率があがっている。「Kindleストア」の日本参入は、既存ストアのシェアを浸食せずに、新たな市場を作り上げたことになる。
一方、楽天koboは前回調査時(8.5%)から1.1ポイント減の7.4%となった。電子ペーパー型の専用端末中心であること、iPhoneやiPad、Androidといった端末向けのアプリ対応が遅れたことなどが影響した結果とおもわれる。
【調査概要】
調査対象:EPUBマガジン「OnDeck weekly」の読者
調査期間:12月17~20日
有効回答:582件
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