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ここからはじめよう!アドテクノロジー基礎講座

ディスプレイ広告領域のカオスマップ、きちんと読めますか?【アドテクノロジー基礎講座第2回】

実際にカオスマップを読み解いてみよう

 例えば、単純に1つのアドネットワークに出稿する場合は以下のようになります。

 そして、そこにDMPを使い、広告主サイトのユーザーのセグメント化や外部のオーディエンスデータを活用したい場合は以下のようになります。

※DMP(Date Management Platform)とは、広義にはデータを管理するという意味ですが、アドテクノロジー領域では広告主のサイトや媒体社のメディアのオーディエンスデータを管理する仕組みのことを意味します。DMPではデータの管理はできますが、それを活用する手段として広告配信等が必要になりますので、単体での利用は難しいです。DMPは次の連載で詳しく解説します。

 このように基本的な配信の仕組みに加え、DMP等のサービスを付け加えて行くことが可能になります。

DSP/RTB/SSPは広告在庫リアルタイムオークションを実現する仕組み

 それではRTBを理解するために、まずはDSP/RTB/SSPを一つのセットとして理解していきましょう。

 RTBというのはReal Time Biddingの略で、広告在庫をリアルタイムにオークションで販売し、入札して購入する仕組みです。この仕組みに対応したのが、メディアの広告在庫をオークションで販売する仕組みとして媒体社側が導入するSSP(Supply Side Platform)と、そのオークションに参加し、広告在庫を買うための仕組みとして広告主側のDSP(Demand Side Platform)があります。

 媒体社はSSPを導入する事で、RTBの仕様に則り、1インプレッション(1つの広告在庫)単位で販売することが可能になります。これまでの媒体社のマネタイズ手段は、純広(手売り)とそこで余った在庫をアドネットワークで販売する二つがメインでした。それがSSPを導入することで、アドネットワークより高い単価で広告在庫を販売できるようになりました。

 SSP導入後、媒体社はアドネットワークに在庫を提供する前に、どうやってより多くのインプレッションをSSP側でマネタイズするかという課題に向き合うようになりました。

 しかし、DSPを使って人気の広告在庫を各広告主が競って買うため、人気のあるメディアの在庫はより高くなり、人気のない在庫は入札されず、その結果多くの広告在庫は買われないという現象が起きます。リスティング広告のビッグワードのように、各社が入札に参加しすぎて入札競合を起こし、単価が高騰しすぎるという現象がRTBでも起きています。

 媒体社としては、1インプレッションあたりの単価が高騰しすぎて、値段に相応するパフォーマンスを提供できない状況に陥るよりは、全体のマネタイズの視点からみると、アドネットワーク以上の値段でバランス良く在庫を買ってもらうほうが適切と言えるでしょう。そのため、DSP側は極力他社との入札競合を回避して、各広告主にとって他社とは異なる価値のある広告在庫を発見し、購入することができれば、RTB市場全体の活性化につながります。

次のページ
アドネットワークからRTBへ進化した経緯

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この記事の著者

菅原 健一(スガワラ ケンイチ)

株式会社Moonshot 代表取締役 CEO

企業の10倍成長のためのアドバイザー。社会や企業内に存在する「難しい問題を解く」専門家。クライアント10社、エンジェル投資先20社の計30社のプロジェクトを並行して進める。過去に取締役CMOで参画した企業をKDDI子会社へ売却しそのまま経営継続し売り上げを数百億規模へ成長。スマートニュース...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/03/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17189

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