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FEATURE

テレビは今「リーチのメディア」から新たな時代へ
創立50周年を迎えたビデオリサーチが俯瞰する現状と課題


テレビ視聴率調査会社としてスタートしたビデオリサーチは、2012年に創立50周年を迎えた。地デジ化、デバイスの多様化がもたらしたものは何か、「ネットとテレビのデータの融合」は本当に可能なのか、広告主が求める「全体最適」とは? 「テレビ新時代」に向けてビデオリサーチの尾関光司氏に話を聞いた。

テレビの新しい時代、求められる新たな取り組み

1953年の2月にNHKが、8月に日本テレビがテレビ放送を開始し、2013年はテレビ放送開始60周年。一方、テレビ視聴率調査会社として1962年に設立されたビデオリサーチは2012年に50周年を迎えた。テレビとともに歩んできた同社が、その記念イベントとして開催した「VR FORUM 2012」はかつてない規模でプログラムが組まれ、多数の来場者を集めた。

MZ:2012年12月に東京国際フォーラムで2日間にわたって開催された「VR FORUM 2012」で、尾関さんはプロジェクトリーダーとしてイベントを指揮されたわけですが、当日の会場は非常に華やかで活気に満ちていましたね。

(写真提供:株式会社ビデオリサーチ)

尾関:今回のイベントは、ビデオリサーチ創立50周年ということで、「ビデオリサーチのこれまでとこれから」を打ち出していこうということになり、このように大規模なものになりました。

MZ:テレビだけでなく、「メディアデータの進化」「インタラクティブ」「生活者インサイト」など6つのテーマに沿って幅広いプログラムが組まれていますが、現在の状況を俯瞰して、尾関さんは、テレビは今どのような過渡期にあるとお考えでしょうか。

尾関:これまでの地上波、地上広告放送というのは「リーチ」のメディアでした。つまり、一度に何人もの人たちの心を動かすことができるメディアです。それは今後もテレビの価値として残ると思いますが、これからは新たな取り組みも必要です。

一般社団法人日本民間放送連盟会長井上弘氏
一般社団法人 日本民間放送連盟 会長 井上弘氏
(写真提供:株式会社ビデオリサーチ)
President, Reaearch & Media Development NBC Universal Alan Wutzel氏
President, Reaearch & Media Development NBC Universal Alan Wutzel氏
(写真提供:株式会社ビデオリサーチ)

イベント1日目の基調講演は日本民間放送連盟の井上弘会長、続く特別講演ではNBC UniversalのPresidentであるAlan Wurtzel氏に「これからのテレビ」について語っていただきました。偶然だと思いますが、おふたりとも「テレビはこれから新しい時代に入る、新しいテクノロジーやインターネットとうまく連携していく仕組みをつくらなければならない」という話をそれぞれの立場からされていました。

2009年から現れた分散の傾向

MZ:今回のイベントでは、テレビ視聴環境の変化もテーマのひとつとなっていました。

尾関:マルチデバイス化によって、テレビ視聴のすそ野が広がると同時に、「分散」という側面が出てきました。PCやスマートフォンなどの「デバイスの分散」だけでなく、ハードディスクに録画してあとで見るタイムシフト視聴は「時間軸における分散」です。現在では地上波だけでなく、BS(放送衛星)やCS(通信衛星)もあります。テレビの価値がリーチだと言っている以上、分散しているものをうまく束ねるかたちで測定し、「全体としてこれだけのメディアパワーがある」と言えるようにするのがまず大事だと思います。

株式会社ビデオリサーチ ソリューション推進局長 兼 インタラクティブ事業戦略室長 尾関光司氏 1963年生まれ。神奈川県出身。1987年ビデオリサーチ入社し、営業および企画・分析を担当。2000年よりメディアのデジタル化/インタラクティブ化に伴う視聴率のあり方を検討し、測定技術の開発を推進。「VR FORUM 2012」では、プロジェクトリーダーとしてイベントを指揮した。
尾関光司氏 株式会社ビデオリサーチ ソリューション推進局長 兼 インタラクティブ事業戦略室長
1963年生まれ、神奈川県出身。1987年ビデオリサーチに入社し、営業および企画・分析を担当。
2000年よりメディアのデジタル化/インタラクティブ化に伴う視聴率のあり方を検討し、
測定技術の開発を推進。「VR FORUM 2012」では、プロジェクトリーダーとしてイベントを指揮した。

MZ:こうした分散の傾向というのはいつごろ出てきたのでしょうか。

尾関:昔から録画文化はありましたが、最近ではハードディスクレコーダーや「EPG(Electronic Program Guide、電子番組表)」を使ってより手軽に録画予約できるようになりました。こうした状況のなかで2009年くらいからタイムシフト視聴は増えています。

今回のイベントでも、タイムシフトについてのセッションがあり、いま言ったような視聴行動の変化について議論しています。視聴率事業の話に戻りますと、これまでは、まずリアルタイムでの視聴を測定してきましたが、これからはデバイスの分散にも対応する。タイムシフト視聴はリアルタイムではないけれど地上波ということでやっていかなければならない。タイムシフト視聴については、別途実験調査を行って分析もしています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2013/07/01 13:07 https://markezine.jp/article/detail/17218

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