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スゴイ才能を発掘したよ。ネット界★スーパークリエイター列伝

日本一ストイックなブロガーが登場! 「動物チラリズム」のやきそばかおるさん

全国80ヶ所の動物園を自腹で行脚

――まず、お名前と職業を教えてください

 やきそばかおるです。作家・写真家です。

動物チラリズムの作者、やきそばかおるさん。名前の由来は「やきそばが好きだから」。

――動物チラリズムのブログを始めようと思ったきっかけは何ですか?

 横浜の野毛山動物園にふらっと行ったんですけど、そこのキリンがやたらカメラ目線をしてきて、僕はパチパチパチってカメラでとってたんですよ。そのとき「おっ、これ面白いな」と思って。それから園内にいる動物を全部カメラ目線で撮ろうと思ったんです。

動物チラリズムの生みの親、野毛山動物園のアミメキリン(もちろんカメラ目線)。

――なるほど。キリンとの偶然の出会いから始まったのですね。ブログを見ましたが、全国の動物園を1人でまわっているんですか?

 最初は関東だけだったんですけど、ある日、北海道の円山動物園と旭山動物園に行ったんですよ。そしたら円山はガラガラで、平日なのに旭山は大盛り上がりだったんですよ。それでこれはヤバイと思ったんですね。

 全国の動物園を回って、あなたの家の近所にもこういう動物園があって、こういう動物がいるというのを、ちゃんと紹介したいと思ったんです。それで僕は全国の動物園に行き始めたんですよ。

――今まで何ヶ所くらいの動物園をまわったんですか?

 約80ヶ所です。

全国の動物園をまわって集めたパンフレットは、クリアファイル2冊分!

――えー!80ヶ所ですか。それは旅費も結構……。

 全部自腹ですよ(笑)。今までの費用は考えないことにしてるんですけど、一番かかったのは冬に行った札幌で、長ぐつとか防寒用具を全部そろえるところから始まったんですよ。それで10万円くらいいっちゃいましたね。

 移動は高速バスや青春18きっぷを使って、ホテルもなるべく安いカプセルホテルを使って、とにかく安上がりにしてます。

――費用も大変ですが、全国の動物園をまわるには、体力もいりますよね。

 今年は猛暑になるって言われてたんで、6月から体力をつけるためにトレーニングしてたんですよ。これはあまり言いたくないんですけど、電気屋さんに行って、ロデオボーイみたいなやつに、3ヶ月間ほぼ毎日乗ってたんですよ。渋谷で仕事をしたら渋谷の電気屋で15分。秋葉原に行ったら秋葉原の電気屋で15分(笑)。

――ははは。それはすごいですね。

 実は動物チラリズムって、体育会系なんですよ。動物園に行くときは、まず朝食を山盛り食べて、開園5分前には行くんですよ。「5分前一人集合」って呼んでるですけど(笑)。園内では何も食べずに、閉園まで必死に動物の写真をとり続けます。

――ストイックですね~。これは誰にもマネできませんよ。ではブログでこだわっているところはありますか?

 「かわいい」っていう言葉は絶対に使わない。これは僕の主張なんですけど、動物ってかわいいって言われるために生きてるわけじゃないんですね。かわいいっていう感想だけだと、動物園のリピーターにならないんですよ。かわいいって言われている動物とかも、野生では他の動物を食べたりしてるわけですよ。そのことを知ると、「えーっ」ってひいちゃうじゃないですか。そういうのは嫌なので、かわいいっていう言葉は使わないんですよ。

 あとはとにかく日本の色んな動物園に行って、色んな動物をまんべんなく撮る。動物園や動物の人気で差別しないで、あくまでも自分の基準で面白いと感じたものを撮るっていうことですね。

――撮影するときに気をつけていることはありますか?

 フラッシュはたかないことですね。あれはほんとに動物によくないので、他の方もたかないでほしいですね。あとは三脚を使うと場所をとって他のお客さんに迷惑なので、三脚は一切使いません。

撮影で実際に使われているカメラ。一眼レフとコンパクトカメラを使い分けている。

――動物のカメラ目線の写真をとるコツはありますか?

 う~ん、ないですね。運なんですよ、ほんとに運なんですよね。その分、二度ととれないような写真が多いんです。色んなところで時間をかけて、ひたすら粘るしかないんですよ。

――撮影に一番時間がかかった動物は何ですか?

 京都市動物園のカリフォルニアアシカ。1時間10分かかったんですけど、池がにごっているので、もぐってしまうと、どこからあがってくるか分からないんですよ。これは大変でしたね。

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ほほえましいブログの実現に必要なストイシズム

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この記事の著者

武田 タケ(タケダ タケ)

ライター、社食探検隊、ネット研究家。CAREERzine「社食探検隊が行く!」、Markezine「スゴイ才能を発掘したよ。ネット界★スーパークリエイター列伝」連載中。編著書に『彼氏彼女に言われた悲しいセリフ』(扶桑社)。個人ブログ「面白いサイトを見つけたよ。」「恋の悲しいセリフ」管理人。  メールはこちらまで。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/09/11 08:50 https://markezine.jp/article/detail/1735

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