企業ウェブの課題:「リアルタイム」と「マルチデバイス」
現在の企業ウェブ環境をめぐる状況は、「リアルタイム」「マルチデバイス」のふたつのキーワードに集約することができるでしょう。
ますます高まる、リアルタイム解析の重要性
ウェブ環境はスポーツで言えば、試合中、リアルタイムにデータを収集し活用していく時代に入っています。もちろん、十分なデータを時間をかけて収集し、じっくり分析することも必要です。しかしそれだけでは、現在のウェブ環境において競合に勝る優位性を発揮できません。時々刻々と進む中でリアルタイムにデータを解析し、戦略を立て、仮説、施策を実施していく必要があります。ウェブ解析には、ログ解析の時代にはなかったリアルタイムという要素が含まれていると言えます。
マルチデバイスがもたらす利用シーンの多様化
さらにウェブを取り巻く環境にはマルチデバイスという要素が加わりました。2012年はスマートフォン、タブレットの爆発的な普及により、スマートフォン向けサイト、レスポンシブ・ウェブデザインなどが一般化、マルチデバイス環境におけるウェブサイトのあり方が大きく変化した年だと思います。企業はPC用サイト、ガラケー用サイトに加え、スマホサイト、タブレット向けの対応などに追われました。
マルチデバイスによって、もうひとつもたらされたものがあります。ウェブを利用するシーンの多様化です。持ち運びが簡単なデバイスからウェブにアクセスできるようになり、ウェブに接するシーンも多様化しました。通勤時間、お昼休み、帰宅時間、食事後、バスタイム、就寝前、など人間の行動に沿ったウェブの使われ方が出て来ました。デバイスの小型化、防水機能、GPS機能の発達も後押ししています。

現在のウェブ解析は、一昔前のアクセスログ解析とは違い、アクセスログ解析に加えて、「ウェブ解析=アクセスログ解析+リアルタイム+マルチデバイス+マルチシーン」という要素が加わったものであると言えます。