マルチスクリーンにおけるウェブ解析事例
すでにウェブ解析の現場でもマルチスクリーン対応が進んでおり、デバイスごとのデータの特徴が出ています。その一例を紹介しましょう。
以下のデータは、あるリーチ系(申込獲得)ウェブサイトのサンプルデータです。訪問数、PVにおいては、PCの数値が高く、訪問別PV、平均滞在時間、直帰率においては、タブレットに良い結果が出ています。また、CV数もPVと訪問数に比例して、PCが数としては多い状況です。しかし、CV率についてはタブレットが優勢です。このデータだけを見るとモバイル(スマートフォン)はまったく良い結果を表していません。
普通に考えるとこのウェブサイトは、PCとタブレットとの親和性が高く、モバイルからのアクセスには向かないサイトであると仮説を立てることができます。
しかし、本当にそうでしょうか? これはあくまで仮説ですが、モバイルでユーザーは検索や閲覧までを行い、実際の申込みは視認性の高いPCやタブレットで行なっていると考えることもできます。まさに前回ご紹介したGoogleの調査レポートに出てきたデバイスの組み合わせによるウェブアクセスではないでしょうか? 仮説としては、「Sequential Usage(順番にデバイスを利用)」と考えられます。
現状のウェブ解析で実現できる手法の中で裏付けるのであれば、PC、タブレットと比べ、モバイルの新規ユーザーの多さをデータとして証明できれば、この仮説はさらに有力になると考えられます。また当然、ひとつの結論としては、単にモバイルと相性の悪いサイトという結論もあると思います。
もし、モバイルからのアクセスに新規ユーザーが多いのであれば、モバイルにおける新規ユーザー向けのウェブ広告施策が有効になります。PC、タブレットでは、まだコンバージョンしていないが、検討中のリピートユーザーに向けたリマーケティングが効果的かもしれません。このようにデバイスごとに特性を把握しながら、リアルタイムに分析、施策の実施を行なっていく必要があります。