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「そもそも広告効果測定のために作られたツールではない」アクセス解析ツールの仕組みのキホンを押さえよう【アトリビューション編:第3回】

 前回の最後に、リスティング広告の登場と、それに付随して生まれたマーケティングをマネージメントする習慣が、インターネット広告業界にアトリビューションの必要性を生んだと述べました。今回は多くの事業主が使用しているアクセス解析ツールでの計測について解説していきます。(バックナンバーはこちら)

広告主が抱き始めた疑問

 日々のオペレーションレベルで「マーケティングをマネージメント」するとは、CPAやコンバージョン数などのマーケティング目標値の指標を毎日チェックすることから始まります。そして、その数値を改善させるにはどうすればいいのか、真剣に考えます。

 このような業務が広がっていくにつれて、広告主企業の担当者は「レポートのコンバージョン数は正しくないのではないか」という疑問を広告代理店、そしてヤフーやグーグルなどの媒体社に対して持つようになりました。

 そもそもの目標値として計測している数値が正しくないとなれば、これは致命的なことです。これは業務の根幹に関わることであり、無視することはできません。そしてこの原因はほどなく浮かび上がってきました。

そのレポートの数字、本当に信じていいの?

 広告主企業側では、概ねウェブサイトのアクセス解析ツールでコンバージョン数を測っています。しかしながら、自社のアクセス解析ツールて測った数値と、媒体社側のレポートの数字がしばしば異なっています。場合よっては、20%程度異なることもあります。日々、5~10%の改善のために業務で汗を流しているにもかかわらず、その前提の数値が20%もズレていたら、これは一大事です。つまり、どっちの数字を信じて業務をおこなえばよいのか、これが大きな課題になったのです。

 ここで、媒体社側のレポートとアクセス解析ツールのレポートのコンバージョン数に差異が出てしまう主な理由を説明しておきましょう。その原因は、媒体社側のレポートでは、複数の媒体の広告が一人の人に重複して到達している現実を考慮していないことにあります。

 たとえば、ヤフーのレポートではヤフー側のことしか分かりません。同様に、グーグルのレポートではグーグル側のことしか分かりません。言い換えると、一人のユーザーがヤフーで検索したあとに、グーグルで検索したとしても、その事実は、双方ともに分からないですよね。これはとても重要なことなので、もう少し詳しく説明していきましょう。

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/05/21 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17700

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