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MarkeZine Day 2026 Spring

EC・通販最前線

デフレ、売れない時代だからこそ商品力で勝負
日本を世界に売り込むベンチャー企業の挑戦


リアルを通じた体験通じ、新たな付加価値を提供

 浜田代表は現在の消費者について、「消費力が落ち、消費に対する好奇心がなくなってきた。小売市場は飽和状態」と指摘する。だが、ディスカウントを行わない「VIVA JAPAN」は顧客からの支持を集めている。

 その理由は何か。「本当に欲しいモノはある。それを提供すればマスメディアでは作れない情報が広がる」と浜田代表。「ディスカウントやポイント付与などを行わないため、いろんなことをやった。そうした環境下で商品を売るためにどうしたらいいか試行錯誤した」(同)。ようやくその糸口が見え始めたという。その中の1つの解として始めたのがECとリアルを組み合わせた「体験型ビジネス」だ。

 例えばサイトで販売するスーツ。有名なナイフ職人が作製したナイフを使い、スーツを作るという体験プログラムを提供。こうした体験プログラムへの参画を通じ、「消費者はその瞬間にスーツのことを語れることができるようになる」(同)と言う。

 ただ商品を購入するのではなく、商品が完成するまでのプロセスに携わってもらう。そうすることで、今までの物販ビジネスにはない新たな付加価値が提供できると考える。

 今後はグルメに関する商材ならば料理教室や工場見学などの体験型プログラムを提供していくという。「安いだけの商品ならば中国で作った商品に負けてしまう」(同)。ソーシャルメディア上、そしてリアルの場を通してのコミュニケーションで、新たな価値を提供している。

世界のマーケットで日本を知ってもらいたい

 「VIVA JAPAN」のような日本文化を発信する事業は今、国を上げて日本文化を海外に売り込む「クールジャパン」の追い風が吹いている。こうした環境を前に浜田代表は「モノ作りに関わっている方々の多くは世界のマーケットを知らないと感じる。今後は当たり前のように世界につながる状況になる」と断言する。

株式会社カフェグルーヴ 代表取締役 浜田寿人 氏

 浜田代表は幼少期の大半を海外で過ごし、ソニー史上最年少という20歳の若さでソニーの本社に勤務。現在も1か月間の大半を海外で過ごす。ソニーで改めて知った日本のモノ作りの質の高さ。海外で大半を過ごしたからこそ分かる、日本文化の素晴らしさ。そんな浜田代表だからこそ、日本の文化をグローバルに展開する必要性を肌身で感じ取っているのだろう。

 「『VIVA JAPAN』は日本のカルチャーを世界に届ける。そして日本で認められたモノが世界に広がり、グローバルスタンダードになる時代を作っていきたい」。浜田代表はこう意気込む。

 急速に加速する少子高齢化に伴い、産業の空洞化が懸念される今後の日本。現在は10%程度の海外売上比率を引き上げ、「感度の高い海外のお客様のトップ5~10%、いわゆるグローバルニッチな海外消費者に対して、商品を通じて日本のよさを知り、日本に行ってみたいと思ってもらえる状況にしたい」(同)。

 日本文化を発信することで日本の潜在需要を開拓。その文化を通じた商材の価格やクオリティーをグローバルスタンダードにする。そして、日本への渡航者を増やし、さらなる日本文化を世界発信する――日本文化を海外に売り込む「VIVA JAPAN」が、新たな消費市場を作っていく。

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この記事の著者

TAMA(タマ)

 流通系専門紙の編集に携わる。現在、サラリーマンをしながら、フリーライターとして執筆活動中。活動ジャンルはITと流通周り。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/06/06 18:05 https://markezine.jp/article/detail/17739

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