くだらないアイデアでもよいから、どんどん出す
具体的には、ランダムな言葉×考えたいテーマ=アイデアという公式に則りアイデアを出していく方法だ。高橋氏の場合は考えたいテーマがおもちゃなので、りんご×おもちゃ→ゴリラ×おもちゃ→ラッパ×おもちゃ…といった具合でアイデアを量産していったという。
「しりとりをやると、ランダムな言葉がどんどん出てきます。それを無理やり自分が考えたいテーマと結びつけます。くだらないアイデアでもよいので、どんどん出します。すると必ずよいアイデアも出てきます。ポイントは自分が思いつく言葉ではなく、しりとりを利用することでランダムな言葉を集める点です。頭の中には色々な言葉が残っているので、それが結びついて優れたアイデアが生まれます。しりとり以外では、例えば適当に辞書を開いて文字を拾うなどでもよいと思います」
この発想法を使って誕生したおもちゃが『∞(むげん)プチプチ』だ。2007年9月に販売開始した同製品の累計販売数は、2009年4月時点で250万個を達成している(参考:プレスリリース)。「データ分析からでは絶対に出てこないアイデアだと思います(笑)」(高橋氏)。

たわいもない遊びから、想像もつかない未来が生まれる
「データにもとづいて分析し狙うところがわかってしまうと、新しいアイデアが出ななくなります。目をつぶってダーツを投げるように、自由にアイデアを出し続けると、真ん中に近いところに当たるアイデアも出てきます。そのアイデアはニーズがあり、かつ新しいアイデアなのです」
最後に高橋氏は「データから生まれる未来もありますが、私は『しりとり』というたわいもない遊びから、想像もつかないわくわくする未来をみなさんが作ってくれることを願っています。本日はどうもありがとうございました」と会場へメッセージを贈り、プレゼンテーションを締めくくった。
データ分析主導でアイデアや企画を考えることは必ずしも間違いではない。ただ、一方で時にはデータを捨て企画・アイデアを練ってみることで、新しい視点や気づきが得られることもあるのではないだろうか。この他にもTEDxTokyoではさまざまなジャンルのパフォーマーが「世の中に広める価値のあるアイデア」を発表。会場は終始熱気に包まれていた。



