SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

[強化編]ノンクリエイターのためのWebコピーライティング講座

ボディコピーでよくやりがちな<貧乏性コピー> もったいない精神は今すぐ捨てよう!


 人気連載「ノンクリエイターのためのWebコピーライティング講座」が[強化編]で戻って来ました! 広告は大好きだし文章も問題なく書ける、でもコピーの成果はイマイチ……というあなたのために、“あるあるミス”を取り除いていきます。今回は、特にボディコピーによく見られる<貧乏性コピー>についてです。

もったいない精神あふれるコピーこそ、もったいない!

 21世紀になろうが、インターネットが世の中を変えようが、アドテクノロジーがマーケティングを進化させようが、いっこうに変わらないものがある。<貧乏性コピー>、あるいは貧乏性広告のことだ。貧乏性、フォーエヴァー。

 貧乏性コピーとは何か? 多くのことを一度に伝えようとして、何ひとつ印象に残せないコピーのことだ。何も伝わらないコピーであり、目的を果たせないまま消えていく費用対効果の低いコピーでもある。

 なぜ絶滅しないのか。“だってモッタイナイんだもん”、この心理に尽きる。雑誌広告を担当した頃、貧乏性広告づくりに加担してしまったことがあった。はじめに訴求ポイントを絞った案をこしらえたはずなのだが、世に出た時は、訴求ポイントが盛りだくさん詰め込まれたものに変わり果てていたのだ。

 原因は分かっている。「みんなの意見を聞いてみます」とか「各部署に確認してもらいます」など、面倒くさい意思決定プロセスのおかげで、“アレもコレも言いたい”というほぼ全員の意見を反映した、幕の内弁当みたいな広告になってしまうのだ。コンセンサスは本当に恐ろしい。

 せっかく高い媒体費を払うのだから、1つだけ言うのはもったいない、なるべくたくさん言った方がお得でしょ、と担当者は冗談を言うが、意外に本心かもしれないと思ったものだ。しかし、貧乏性広告はメッセージの貫通力や浸透力が弱く、お得どころか大損する可能性が高い

 たとえば、あなたがお店で商品についての説明を求めたところ、店員は一気にアレもコレもとありったけの特徴を話し出した。きっとあなたの頭は混乱し、せいぜい、最初の1つか2つくらいしか覚えられないはずだ。いや、結局どこが優れているのか、まったく分からないこともあり得る。それと同じことが起こるというわけ。

 無視されがちな広告の類ならなおさら。ことWebの読み手には「うざい」と一蹴されることを覚悟した方がいい。ここでWebの読み手がいかに冷たいかおさらいしてみよう。

ヤコブ・ニールセンによるWebユーザビリティ調査より
  • Web上ではざっと見て、興味があるキーワードがあれば拾い読み
  • 8割近くの読み手は流し読み、じっくり読んでくれない
  • 月並みなページの場合、文章の20%程度しか読んでくれない
  • 紙媒体に比べて、読むスピードも遅く、Webの文章を読むのは苦手

 ね、とてもシビアでしょ。こんな状況ではアレも言わないと、コレも言わないともったいない貧乏性のコピーでは歯が立たない。<もったいない>はエコロジーを象徴するキーワードとして世界で注目されたが、コピーでは命取りになる。

 言葉のコミュニケーションでは、基本的に一度に弾が飛散するショットガン型より、一発で仕留めるスナイパーライフル型の方が命中しやすいのだ。弾は1発1発大切に使おう。特にWeb上ではね。

10/17「トリプルメディア時代を乗り切る!ノンクリエイターのためのWebライティング講座」開催

インターネットにより、誰もが気軽に情報発信ができる時代。裏返してみれば、誰もが責任ある文章を書かなくてはいけなくなったとも言えます。どんな情報を、どう表現して発信すればいいのかお困りの方へ。流行りのトリプルメディア、ソーシャルメディア、ペイドメディア、オウンドメディアについて、SEOを踏まえたWebライティング術をそれぞれのプロ講師が教えます。

★☆★「トリプルメディア時代を乗り切る!ノンクリエイターのためのWebライティング講座」の詳細・お申し込みはこちら★☆★

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
広告情報はそんなに記憶してもらえない メリットでも詰め込みはNG

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
[強化編]ノンクリエイターのためのWebコピーライティング講座連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

有田 憲史(アリタ ケンジ)

 コピーライター(キャリア24年)。主な仕事は広告や販促ツール、Webサイト、IRツール、ダイレクトマーケティングの企画やコピー。時々マーケティングプランナーも。その他さまざまな仕事もこなしており、ネット通信講座のコピーライティングの講師、マーケティングコンサルタントやゴーストライターの経験も。これまで担当した業界は電機メーカー、IT、不動産、自動車メーカー、健康食品、流通、食品など。●ブログ「コピーライターが思わず ! となったコピー。」 ●Twitter:ありけん@arikenunited

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2013/09/11 10:43 https://markezine.jp/article/detail/17820

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング