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“サイト上のおもてなし”で離脱を防ぐ
20~25%のCVR向上が見込める「次世代Web接客サービス」

“サイト上で接客” が浸透していない日本でもニーズはあるのか

 とはいえ、LivePersonが起業してから18年。その間、日本でもチラホラとサイト上でチャットを使ってユーザーをもてなそうとするツールが登場してはいた。日本でチャットがはやらなかったのは、なぜなのか。あるいはチャットは日本でもこれからはやるのか。ロカシオ氏の考えを聞いた。

 「なぜ日本でチャットが流通していないのか。私の考えは、LivePersonが日本になかったから(笑)。私たちがサービス提供を始めれば、皆さん、チャットを使い始めるのではないかと考えています。そもそも、日本はアメリカと比べても、テキストメッセージを多く利用しています。本社がアメリカにあるIBMやAdobeなどは、既に日本でもチャットを使ってユーザーをサポートしています。『日本にはまったくニーズがない』ということはないはずです。

 現に、2年半前に参入したオーストラリアでは、大手銀行4行が利用しています。国は関係ないと思います。基本的に人間は、必要としているサポートが提供されれば、受け入れるものですから。逆に日本では、ユーザーをチャットでもてなすと他国と比べてもCVRが非常に改善されるというデータが出てきています。日本企業にとって、ライブエンゲージの秘める潜在的な価値は大きなものなのです」

チャットは顧客対応の生産性が一番高く、確度の高い見込客も逃さない

 新規導入企業にとっては、チャット対応をするスタッフを新たに任命・教育する手間が掛かる。けれど、「チャットを使えば、スタッフ1人で2~3人を同時にもてなせます。人件費で考えると、電話、チャット、メール、すべてのチャネルを比較しても、すべての顧客の導入事例において、チャットの生産性が一番高かったのです」(ロカシオ氏)。

 チャット担当者1人で対応できる相談件数は月間1,000~1,500件ほど。導入企業の中には、たった1人の担当者で対応する企業もあれば、1,000人体制を構築した大企業もある。24時間対応もできるが必ずしも24時間対応する必要もなく、担当者の都合がいいときだけチャットへ招待するように設定できる。対応時間外はチャットへ招待する代わりに、割引キャンペーンやお薦め商品の画像をポップアップする機能も付いているのだ。

 「CVRは、20~25%ほど向上します。ライブエンゲージのプラットフォームを導入すれば、行動履歴を分析して、価値の高いユーザーを特定できます。プロアクティブに接客することで、リード取得につなげられるのです。

 IBMはライブエンゲージを使い、ユーザーが製品・サービスの資料をダウンロードしたり、説明用のビデオを見たりすると、チャットへ招待するように運用しています。以前は登録してもらった電話番号に電話を掛けていましたが、つながるとは限りません。でも、チャットなら顧客はサイト上にいます。商機を逃さないようになりました」

 つまりライブエンゲージの最大の価値は、これまで取り漏らしていた顧客をアクティブにサポートすることで確実にコンバージョンへ導けること。本質的には、攻めるためのツールなのだと考えるべきなのだろう。

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アメリカは世界で一番大きな市場だが、イノベーティブではない

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/06/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17855

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