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“サイト上のおもてなし”で離脱を防ぐ
20~25%のCVR向上が見込める「次世代Web接客サービス」

 日本ではなぜか普及していないが、アメリカを中心に「Webサイトを運営するなら必要不可欠」になっているマーケティングツールがある。今春から、日本でも本格販売を開始するというそのツール。世界で8,500社が導入済みというツールは一体どんなものなのだろうか。来日中の創業者に話を聞いた。

“サイト上で接客”できるマーケティングツール

 日本より先行してオーストラリアに上陸、わずか2年半のうちに豪大手銀行の4行すべてに導入されたマーケティングツールがある。LivePersonの提供する「ライブエンゲージ」がそれだ。

 アメリカのECサイトなどをWebサーフィンしていると、時折、画面上でポップアップが立ち上がり、「担当者とチャットで話してみないか」と促されることがある。ライブエンゲージは、そうしたサイト上での接客を可能にするツール。アメリカでは毎月2,000万人のユーザーが、ライブエンゲージを使って企業担当者とチャットでコミュニケーションを取っているという。

 サイト上で困っているユーザー、購入の可能性が高そうなユーザーを見つけては、適切なやり方でコンタクトを取る。日本での販売パートナー・ヴィクシアが「次世代Web接客サービス」と銘打っているように、実店舗で顧客を接客するイメージで、ライブエンゲージはサイト上でサポートの必要な顧客を見つけ出し、企業担当者がサポートできるようにする機能を備えている。

 導入に必要な作業は、15行程度のJavaScriptを埋め込むだけ。4~8週間ほどで導入できる。月額14万4,000円から利用可能で、導入企業はおおむね20~25%程度のコンバージョン率(CVR)向上が見込めるという。

Forbes誌にも認められた高成長企業

 行動ターゲティング機能が2005年に追加されるなど、いくつかの主要機能が比較的最近になって追加されているが、ライブエンゲージの原形は18年も前から存在していた。

 「当時、私がPCを買おうとECサイトを使っていたとき、質問したいことがあってもサイト上から直接問い合わせることができませんでした。メールや電話でなく、サイト上から直接チャットで質問することができればいいのに。そんなアイデアを思い付いたのが起業したきっかけです」。そう語るのは、LivePersonの設立者兼CEO ロバート・ロカシオ氏。4月にはデジタルマーケティング支援サービスを提供するヴィクシアとの提携を発表。日本でライブエンゲージを本格的に販売開始することになったため、ライブエンゲージの製品説明会への出席などが目的で来日した。

写真左:LivePerson 設立者兼CEO ロバート・ロカシオ氏
写真右:日本/アジア太平洋地域統括部長 ディーン・ダスティン氏
写真左:LivePerson 設立者兼CEO ロバート・ロカシオ氏写真右:日本/アジア太平洋地域統括部長 ディーン・ダスティン氏

 「Webサイトは自販機ではなく、店舗と同じものだと考えています。接客をするためには人間が必要。サイト上で店舗と同じレベルの体験を提供したいと考えています。

 ライブエンゲージは、ただのチャットツールではありません。サイトを訪れたユーザーに対して、適切なタイミングで、チャットやコンテンツ表示などの適切なチャネルを使い、適切なもてなしをするためのプラットフォームなのです」(ロカシオ氏。以下、同)

 LivePersonは1995年に設立され、2000年にはNASDAQに上場。一時は社員数180人となったが、不況時には40人にまで社員数を減らした時期もあった。けれどそれでは終わらず、徐々に導入企業数を増やした結果、2012年の売上高は1億5741万ドル(約157億4,100万円)。社員数は約900人にまで成長した。

 Forbes誌が選ぶ「2010年 アメリカ 高成長ハイテク企業トップ25(America's 25 Fastest-Growing Tech Companies)」の13位にもランクイン。5年間の売上成長率は41%で、AppleやGoogleよりも上位に付けたこともある企業だ。

 導入企業は全世界で8,500社。CitibankやBank of Americaなどの金融機関、Verizonをはじめとした大手通信会社、IT系ではHPやIBM、MicrosoftにAdobeも導入している。

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/06/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17855

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