スマートフォン普及によるデジタルカメラユーザーへの影響
では、スマートフォンを入手したユーザーのデジタルカメラでの撮影行動はどのように変化しているであろうか。
下記は、スマートフォン入手後の、デジタルコンパクトカメラへの影響についての質問に対する回答である。割合として最も多いのは、「特に変化はない」の36.4%であるが、「写真撮影枚数が減った」という回答が31.5%となった。一方、写真撮影枚数が増えたという回答は9.5%となった。
これを年代別で示したのが、下記のグラフである。この結果から、20代以下のユーザーへの影響が大きいことが見て取れる。スマートフォン入手後デジタルコンパクトカメラで「写真撮影枚数の増減があった」あるいは「使わなくなった・手放した」というような行動変化についての回答率が全世代よりも多い。
一方「特に変化がない」の回答率は、全世代、他の世代と比べて少ない。すなわち、撮影枚数の増減のいかんを問わず、スマートフォンは特に20代以下のユーザーの消費行動の変化に大きな影響を及ぼしているということである。
一方、同じデジタルカメラでも、高級機への影響については様子が異なる。下記は、デジタルカメラの高級機であるデジタル一眼レフカメラユーザーのスマートフォン購入後の行動変化に関する回答である。
スマートフォンユーザーで、デジタル一眼カメラを保有している割合が、そもそも限られている(該当機器での撮影・保有なしユーザーが全体の56.9%)が、保有者の回答を見ると、「特に変化がない」の回答率は圧倒的に多い(全体の28.7%)。また、「撮影枚数が増えた」の回答率(全体の8.3%)が「撮影枚数が減った」の回答率(全体の5.8%)を上回っていることも、デジタルコンパクトカメラとの違いである。
これらの結果から、スマートフォンの普及は、デジタルコンパクトカメラユーザーの撮影行動にある程度の影響を及ぼしており、デジタル一眼レフカメラのような高機能機については、影響は限定的であることがわかる。



