BigQueryとGoogle アナリティクス データで実現できること
オフラインの店舗や顧客との接点を持つ企業が、ウェブ上のキャンペーン、プロモーションが実際の店舗、オフラインでの売上にどう貢献しているのかを分析するには、これまで非常に手間がかかっていました。しかし、BigQueryにより、ウェブ解析データと実際の売上データを日別、時間別にアドホックに分析できます。
ウェブで実施したキャンペーン期間に店舗でどんな動きがあったのか、売上に与えた影響、キャンペーン終了後の効果についての分析がタイムリーに実行できます。今までのように大規模なサーバーシステムの準備も不要ですし、そのためのシステム構築の時間も大幅に削減することができます。
もっと複雑なクエリ処理、たとえば、会員制のクーポンサイトでクーポンを取得し、オフラインの店舗でクーポンを利用した場合、このクーポンを取得したユーザーがどのタイミングで会員となったのか、またはどのキャンペーンで会員になったユーザーがクーポンを使ったケースが多いかなども分析することができるのです。
システムチームとウェブチームの協働
ウェブで完結したデジタルマーケティングであれば、ウェブチームでデジタルマーケティングに関わるデータ解析は完遂できたかもしれません。しかし、BigQueryのような大量データ解析になってくると、データの組み合わせ、データの準備に際し、システム的な知識が必要になってきます。既存の企業内情報系システムからデータを抽出し、整形データをBigQueryに渡す必要があるからです。もちろん解析には仮説や目的が必要です。目的に合ったデータをタイムリーに抽出し、アドホックなビッグデータ解析を行うには、ウェブチームだけではなく、システムチームとの連携が必要になります。
CIOとCMOがいかに手を組んでいくか、人材の配置も踏まえ、協働していく理想の姿を共に描くことで強いデジタルマーケティング力を発揮できる体制になります。

デジタルマーケティングは、ウェブのスキル、ウェブ広告のスキル、ウェブ解析のスキル、データをマネジメントする技術スキルまでも必要とする時代に向かいます。別途記事としてまとめた、ウォルマート社の事例で紹介した「データサイエンティストの定義」のように、ビジネススキルとエンジニアリングスキルなど、複数のスキルセットを持ったデータサイエンティスト、データアナリストが今後企業にとって非常に重要になってきます。企業内教育はもとより、企業外でもデジタル-ケティングのスキルを磨くことができる環境を作っていくことが今後の日本のデジタルマーケティングの発展には必要になると考えます。
最後に
いかにして、デジタルマーケティングを進化させ、企業の競争力強化、創出につなげるかは、私自身も課題だと思っております。まずは、一緒に仕事させていただいている企業のデジタルマーケティングの成功に少しでも寄与できるよう、日々デジタルデータに向き合っていきたいと思います。
また、機会があれば、Google アナリティクス、ウェブ広告などのデジタルマーケティングに関する記事を、日々の事例や経験をもとにご紹介したいと思います。連載をお読みいいただいた方、ブックマークや「いいね!」「+1」をクリックしていただいた方へ感謝します。
※ご紹介した解析、広告やリマーケティングの考え方は、あくまで参考案としてご理解ください。サイトの特性により、施策がそぐわない可能性もあります。施策の成功を確約するものではありません。