ポイント2:申込確認ページを有効活用する
「やはり消費者は無料に弱い。無料サンプルがあれば、無料のほうを選んでしまう。1個買いと3個買いがあれば、1個買いを選んでしまう。ほとんどの会社ではネットのアップセル率は数%」と加藤氏は言う。では、ネットではアップセルは無理なのか?
加藤氏が出した結論は「アップセルさせるには、『ランディングページ』ではなく、『確認ページ』でやること」。

「完了ページ」の一歩手前の「確認ページ」でアップセルをすることで、アップセル率は向上する。これはコールセンターが、顧客の情報をすべてもらったあとに、アップセルトークをするのと同じやり方。通常の遷移では、「確認ページ」で入力した住所などの情報を一覧表示して確認をうながし、最後に「確定」ボタンを置いている。このボタンを押した瞬間に「完了ページ」へ遷移してしまう。「もったいない、非常にもったいない。アップセルすべきは確認ページなのに」と加藤氏は強調する。

そして、確認ページでは「ちょっと待った!よかったら本商品もどうですか? 今ならこんなにお得ですよ」とお勧めし、最後に2つの「申込み」ボタンを配置する。左側はもともとその人が申し込もうとしていたもの(無料サンプル)を表示し、右側にはアップセルさせる商品(本商品)を表示する。面倒な入力手順が済んで、完了ページへ行く直前だからこそ、アップセルしやすくなるのだ。

ポイント3:ソーシャルでのクチコミは完了ページで
加藤氏は最後に「ランディングページの申込完了ページを有効活用すると、友達紹介率(クチコミ率)が上がる」というノウハウを紹介。「通販の世界は正直に言うとソーシャルとあまり相性がよくない。エンタメ性やニュース性があるもの、iPhoneのような画期的な商品ならシェアや『いいね』をしてくれる。しかし、普通の商品はなかなかシェアされない」。そこをシェアさせるのは、すべての手順が終わった「完了ページ」。利用者が申し込んだことに満足し、やや興奮状態にある「完了ページ」にソーシャルのボタンを設置すると、クチコミ率がアップするという。

加藤氏は、これらの仕組みの効果について具体的な数値を交えて語ったあとで、「ランディングページのノウハウを明日からすぐにしっかり実践するとネット広告の費用対効果がアップする。成功するかしないかは、皆さんがやるかやらないか、それだけです」と述べ、怒濤のトークを終了した。
次回は、ドクターシーラボの西井敏恭氏による、ダイレクトマーケティングにおける分析と仕組みづくりについての講演をお届けする。