ダイレクトマーケティングは「分析→仕組みづくり」だ!
「アドテック九州」2日目に開催されたセッション「これが通販王国、九州が誇る最強ダイレクトマーケティング!」では、九州代表として、加藤公一レオ氏(売れるネット広告社)、武藤啓典氏(アサツーディ・ケイ九州支社)が登壇。そして、モデレーター兼東京代表として、最後にプレゼンを行ったのはドクターシーラボの西井敏恭氏だ。
西井氏は2001年から2年半にわたって世界一周旅行をし、ホームページに綴った旅行記が人気を集め、『旅するつあーめん』(羊土社)という本として出版された。2003年にネットの世界に入ってから10年間ECひとすじ。2007年からは、ドクターシーラボでネットの責任者としてECに取り組んでいる。そんな西井氏は今回、「ダイレクトマーケティングは分析→仕組みづくりだ!」と題して講演を行った。
やるべきことはやっているのに、売上が上がらない
ドクターシーラボは1999年設立。化粧品市場の中でも「スキンケア」、とくに皮膚の専門家が医学的見地から開発にかかわった化粧品「メディカルコスメ」というカテゴリーで商品を展開している。現在社員は700名ほど。400億弱の売上の6割が通信販売、4割が店頭や卸しとなっている。2012年7月期にはECの年間売上が100億円を突破した。
しかし、氏がドクターシラボに入社した2007年は、成長を続けていた同社のECがちょっと低迷していたころ。この年は通販全体ではじめて前年割れした年だった。
売上が上がらない理由を探るために、当時やっていたウェブマーケティングをチェックしてみると、バナー広告、SEO、リスティング広告、テレビCMからの誘導、メルマガなど、ECでやるべきことはひととおりやっていた。社内では「商品力の問題か」という声もあった。当初はなかった競合商品が2005~2006年くらいから出てきたからだ。また、2004年からは店舗展開も急ピッチで行ったことから、「店舗に売上を取られているのでは」という声もあった。
しかし、ウェブマーケティングの状況が明らかになる一方で、実はあまり議論されていないことがあった。それは「お客様の状態はどうなっているの?」ということ。それまであまり取り組んでいなかった顧客分析に向かい合うときが来たのだ。