Web経由の売上を10%から20~30%へ引き上げる
そこで、Web単独でもしっかり新規顧客を獲得すること、また既存顧客の離脱を防止してCPOを抑えることを目指し、昨年よりWebマーケティングにも力を入れ始めた。割合は商品によって異なるものの、現在では同社全体の売上の10%程度がオンライン経由だそうだ。2年後を目途に、これを20~30%まで引き上げることを目標とし、現在Webサイトの改善やランディングページのバリエーション展開、メールマーケティングなどに取り組んでいる。
例えばランディングページでは、「ひざの痛みに悩んでいる人」「母の日・父の日・敬老の日のプレゼントを探している人」といったセグメントを絞り込み、そのニーズに応える内容構成を作り上げている。皇潤に特化したサイトも、より分かりやすさを追求し、親近感を持てるようリニューアルした。
複数の取り組みのうち、この1年で特に注力し、成果が表れているのがメールマーケティングだ。オーソドックスではあるが、見込顧客へのメールでのアプローチはダイレクトマーケティングにおいて欠かせない手段である。同社では昨年、CRMシステム「カスタマーリングス」を導入し、細かなセグメントによるリスト作りや配信設定を進めている。
お試し商品注文から定期購入へ、優良顧客へと育てる秘訣
当然ながら、Webマーケティングに本腰を入れ始めた昨年より以前も、メールでのアプローチは行ってきた。「ですが、システムが不十分だったため、顧客リストを抽出してセグメントし、メルマガを送り分ける作業が非常に煩雑でした。「カスタマーリングス」を導入したことにより、例えばお客様の状況やライフスタイルに応じて内容を変えるなど、以前はなかなかできなかった策が容易に展開できるようになりました」と田村氏。
特に成果が現れているのが、トライアル利用から定期的に商品が届く「定期コース」への引き上げだ。トライアル商品到着後すぐ、3日後、7日後など順を追ってメールを配信し、定期コースの契約を促す「ステップメール」の配信が奏功しているという。その効果は、実にカスタマーリングスを導入後、引上げ率が3倍に改善したそうだ。
以前のシステムを長く使っていたという権丈氏は、「情報の収集や集計に時間がかかり、非常に無駄だった」と話す。「そこに時間を割かず、施策を検討し実施し改良するというPDCAを素早く進められているのが助かります。今、私が担当している商品では、ステップメールを計7回配信しています。クリック率などの分析も一目瞭然なので、間が空かない方が定期の申し込みをしやすいと思いがちでしたが、意外と4~5回目のメールでもコンバージョンが高いとか、商品到着前でもメールの内容によっては正規購入を促せる、などの新たな知見も得られています」(権丈氏)
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