SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

ネットコン猿・道明寺猿ノ介が斬る!勘違いから学ぶネット広告&ネット経済

サルでもわかる検索連動型広告(前編) 闇に包まれたキーワード取引現場に迫る!の巻


まずは、キーワードの入札について教えてください!

というわけで今日は、検索連動型広告「スポンサードサーチ」について、ヤフーをはじめとする大手サイトに提供しているオーバーチュアさんに話を聞きにきました。よろしくお願いしまーす

(オーバーチュアさん)こちらこそよろしくお願いします

まず、検索連動型広告の入札について教えてもらいたいのですが、これはどういう仕組みで行なわれているんですか?

これは実は、皆さんがオークションなどから連想されるものとは、ちょっと違います

毎日、時間を決めてみんなで「100円!」とか言いながら入札してるんじゃないんですか?

違います(笑)。たしかに、あるキーワードに対して入札価格が高いほうが上位に表示されやすいんですが、これは刻々と変化しているものです

刻々というのは、1時間くらいの単位でですか?

いえ。もう1回クリックされるたびに違いますね

ねえ、道明寺さん。試しに同じキーワードで連続して検索してみたんですが、たしかに表示される広告は、そのたびに変わってますよ

なにぃ。そんなバカなことを言っちゃいかんよ。どれどれ……って、ほらぁ同じじゃん。「温泉」で何度か検索しても同じだぞ

そりゃ同じのが出るタイミングもあるでしょうが、ほら、今「マッサージ」でやると違いますよ。ほら

な、なんと……

実際に登録していただくのがいちばんわかりやすいのですが、クリックに対して課金される金額や表示される順位は、状況に応じて逐一変わるんです

じゃあ、ある金額を入札して1位だと思って喜んでいても、1時間後には、圏外になってるなんてことも?

充分にありえますね。特に、夏休みやクリスマスといったキーワードなら、オンシーズンでは頻繁に起こるんですよ

じゃあ、おちおち寝てもいられないじゃないですか!

ただですね。闇雲に1位をとりにいっても仕方ないんですよ。入札という言葉に踊らされすぎて、どんどん金額を上げる人もいらっしゃいますが、それだと効果は出ません

たしかに。1個200円の商品を売るために、ワンクリック数百円とか払っていたんでは、利益は出ませんものね

どういう商売であっても、大きな予算の枠があって、そこから利益率を考えて広告費などが算出されているはずです。その範囲内でいかに効果的に広告宣伝を行なうのか、そこを考えていただかないと……

ひとつ売れるといくらの売上があり、クリックしてくれた人の何割が買ってくれるのか。こういったことをあらかじめ想定しておいて、その数字を守りながら予算を設定していくと。当たり前だけど、こういった視点が必要なんですね

そうです。また、最初にお金を放り込んだままで、ずっと放置されていても効果は少ないと思います。日々、観察していただき、どういうキーワードが効果的なのか。上限として、何円くらい出せるのか。そういった視点をもって、使っていただければ、よりビジネスの結果にも繋がっていくのではと思っています

なるほどぉ。勉強になるなぁ

あと、入札の話に戻しますと、今までは、入札したキーワードはそれぞれ個別に管理していましたが、今はもっと大きな単位で管理できるようになりました

といいますと?

ちょっと例を挙げて説明してみましょうか。そうですね……。設定としては、旅行代理店になったとしましょう。旅行代理店が広く告知したい商品には、どういったものが考えられますか?

えーと、例えば「沖縄ツアー」とかですかね?

そうですね。それでは、ここで考えていただきたいのですが、「沖縄ツアー」に興味がある人が入力しそうな言葉というのは、とてもたくさんありますよね

そりゃそうでしょうねぇ。「沖縄ツアー」と入力する人もいるでしょうけど、「沖縄 旅行」「沖縄 ダイビング」「沖縄 水族館」などなど、考え出したら切りがないくらい幅広いですよね

その通りです。そこで、今のシステムでは、「沖縄ツアー」という枠組みを設けておけば、このなかで関連するキーワードを一括で管理できるようになっているんです

へぇ。それはなんだか便利そう

この枠組みのことを「広告グループ」と呼んでいます。ちなみに、広告グループに含める検索キーワードの選定時には、ある単語を入力すると、それに関連するキーワードを類推していくつかの候補を自動的にリストアップする機能も使えるんです

それはいいですね。これだと自分が気づかない単語も忘れずに選択できる

なるほどなぁ。たしかに、「沖縄ツアー」を宣伝したいだけなのに、10個も20個もあるキーワードを個別に管理してたんじゃ大変だもんなぁ

ええ、そうなんです。さらに、ここでまた考えていただきたいのですが、旅行代理店の人にとって、売りたい商品というのは、沖縄ツアーだけじゃないですよね

そりゃぁ、キーワードから考えるだけでも「ハワイツアー」とか「格安ツアー」とか「グルメツアー」とか、たくさんありますよね

当然のことながら、「ハワイツアー」や「格安ツアー」についても、「沖縄ツアー」と同様に広告グループを作り、関連するキーワードを登録するわけですが、もうひとつ上の視点に立って、こういった広告グループを一括で管理できると便利だと思いませんか?

ん?

ふーむ。あ、わかった! それは例えば「夏休みツアー」というもうひとつ大きな枠組みを作って、その中で「沖縄ツアー」や「ハワイツアー」「格安ツアー」といった広告グループを管理するってことですか?

そう! そういうことです

ねえねえ綾小路クン。もちっと説明してくんない?

つまり、複数のキーワードが登録された「沖縄ツアー」や「格安ツアー」という広告グループを「夏休みツアー」という、もうひとつ大きな枠組みで管理するというわけです。こうしておけば、夏休みの期間中に、複数の広告グループを一括で管理できて便利じゃないですか

ああ、なるほどぉ。つまり、複数の広告グループをもっと大きなフォルダに入れて、まとめて管理するというわけだな。これなら、広告掲載の開始や終わりを一気にできて便利だなぁ。……ま、そんなことは、100年前から知っていたが……

そうです。ちなみに、この広告グループをまとめる大きな枠組みのことを「キャンペーン」と呼んでいます。実際の設定時には、まず「キャンペーン」を、それから「広告グループ」を設定する流れになります

なるほど、まさにキャンペーン向きな機能ですね。複数の広告グループを、ある時期に一括して管理するのに、とても便利ですもの

さらに現在の設定画面では、それぞれのキーワードの予想検索数や予想入札額なども表示されるので、入札するとどれくらいの効果が期待できるのかがシミュレートできるようになっているんです

ムムム~。これほど進化していたとは驚きですなぁ。こりゃ「温泉のキーワードは100円にしとこ!」ってレベルの話じゃないな

 ……思ったより奥が深かった検索連動型広告。次回は、その肝となるキーワードのお得な設定方法について教えてもらっちゃうぞ!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
ネットコン猿・道明寺猿ノ介が斬る!勘違いから学ぶネット広告&ネット経済連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岡部 敬史(オカベ タカシ)

72年京都市生まれ。『別冊宝島』の編集を経て編集・執筆業。ブログ評論家。著書に『ブログ進化論――なぜ人は日記を晒すのか』(講談社プラスアルファ新書)、『Web2.0殺人事件』(イーストプレス)。『このWeb2.0がすごい!』(日経BP社)。編著書に『このブログがすごい!』(宝島社)などがある。個人のブログは『岡部敬史の編集記』

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2007/09/27 21:31 https://markezine.jp/article/detail/1829

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング