今回は、日本企業と欧米企業で、SEOに関する考え方がどのように違うのかをまとめました。SEO先進国である欧米企業と比較することで、自社の課題を感じ取っていただければ幸いです。もちろん、あくまでも大きな傾向であり、それに該当しない企業もあるということをあらかじめご留意ください。
日本は上位表示、欧米はSearch Engine Optimization
まずは、SEOの定義から見ていきましょう。日本では一般的に、具体的なキーワードにおける検索結果で上位表示されるための対策がSEOと呼ばれます。
一方、欧米では、検索結果からクリックを誘導するようなコピーライティングを意識したタイトルタグ、メタタグ等の設置、クロールへの対応など技術的な改善、現状サイトのオーディット(分析)等を総合的に含めてSEOと定義します。まさに、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)です。
この違いは、Webサイトに対する捉え方から生まれるようです。単なる集客手法の1つと考えるか、それとも企業の重要な資産の1つとして捉えるか。後者であれば、全社的なWebサイト運営の方針が明確に定まり、中長期的な視点でSEOに取り組むことになります。
SEOの定義が違えば、施策や外注先選びの基準、発注スタイルも変わってきます。
外部リンク――成果報酬サービスを考える
日本でいまだに根強い人気を誇る成果報酬サービスですが、欧米ではほとんど見かけません(ゼロではないが、日本ほど人気がない)。その理由は、成果報酬サービスのリスクの高さを認識しているからです。
リスクが高い原因は、成果報酬サービス会社の施策が、どうしても外部リンクに依存しがちな点にあります。外部リンク先のWebサイトが、数年後にも存在するのか、スパム等にならないのか、保証はありません。短期的に見れば順位が上がるかもしれませんが、数年後にマイナスになって帰ってくることもあり得ます。
そのため欧米企業では、コンテンツなどの内部対策に重きを置く傾向にあります。外部リンクの施策をとる場合にも、リンク先の調査を徹底して行います。
この背景には、リンクそのものへの認識の違いもあるようです。欧米では、Permanent Link(永久リンク)が大前提ですが、日本では、契約している期間だけリンクが張られ、契約が終わると削除されるというパターンが比較的多いのです。
そもそも、リンクを張る意味を本質的に考えれば、レンタルというのはちょっとおかしいですよね。過去記事にも書いたように、Googleのアップデートは、今後ますます、小手先のテクニックが通用しないものになっていきます。
成果報酬サービスを利用する発注担当者の中には、「スパムにならないようであれば、特に手段は指示しないので、そちらの範疇でランキングを上げてね」というスタンスの方もいるようです。外注先や施策を吟味する際は、こうしたリスクを認識して行うことをお勧めします。