SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

O2Oからオムニチャネルへ

O2Oからオムニチャネルへ、加速する顧客とのコミュニケーション革命


オムニチャネル推進への動き

 「オムニチャネル」は、米国の小売業界で2年ほど前から議論されるようになった言葉で、おおまかに言うと「オムニ(すべての)チャネルを顧客との接触・販売機会にする」ことを指しています。

 先日セブン&アイ グループがシステム開発に1000億円を投じて、5年後をめどに全300万商品の在庫オンライン上で一元化するという報道がありました。通販で注文したものを配送するか、店頭受け取りするかを選べるようになるそうです。また、東急ハンズはこの動きに先行しており、今年の9月からECサイトから注文した商品を店頭で受け取るサービスを開始しました。このほかにも、ルミネ大丸松坂屋など続々とオムニチャネル化の動きを見せています。

店頭でもネットでも、買いたいときに、買いたいところで

 現在の消費者は、重いものや大きなものはネットで注文して配送してもらい、現物を確認してすぐ持ち帰りたい場合は店頭で購入する。自宅でも職場でも、スマ―トフォンやタブレットで好きなときに買い物をして、好きな場所で受け取ることが可能になりました。

 しかし、便利な一方で「ショールーミング」という問題が表面化してきました。店舗で商品を確認したら、その場でスマートフォンを使って検索し、最安値のネットショップで購入することが可能になったのです。店舗は実物を確認するショールームと化し、売上はネットにとられてしまうことへの危機感も高まっていました。では、なぜいま各社がオムニチャネルを推進しているのでしょうか?

オムニチャネル=顧客接点の最大化

 顧客の利便性向上はもちろん重要です。しかしそれ以上に、マーケティングにおいて大きな意味を持ちます。実店舗を持つ企業は、買ってもらう場所は店頭でもネットでもどこでもいい。むしろ、実店舗をショールームとして利用してもらい、納得したうえでネットで買ってもらう。ネットで気になった商品を店舗に見に来て買ってもらう、あるいは、ネットで買った商品を店舗で受け取る。オムニチャネルの促進によって、ネットショップと実店舗の連携を強化し、利便性を高め、可能な限り顧客接点を増やし、販売やコミュニケーションの機会を増やすことができるのです。

 それらの顧客接点から生まれるもの、それがデジタルマーケティングの要である「データ」です。実店舗で買った人とネットショップで買った人のユーザーのIDを統合することで、買物履歴などのデータを一元管理し、誰が、いつ、どこで何を買ったかを把握することができます。こうしたデータが、現代のマーケティングにとって重要であることは言うまでもないでしょう。米スターバックスは、チーフデジタルオフィサー(CDO)という役職を置いて「デジタル化率100%」を目指しており、とくにモバイルでの支払い率向上に注力しています。また、ウォールマートなどの小売業態でもテクノロジーベンチャーを積極的に買収するなど、この領域での動きを加速させています。

 次回以降では、事例をもとにこれから目指すべきデジタルマーケティングのかたちを探っていきます。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
O2Oからオムニチャネルへ連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

新田 剛史(ニッタ タケフミ)

東京ガールズコレクション・プロデューサーとしてビジネス面の責任者を務めた後、2009年、株式会社ミクシィ入社。NIKEiDとコラボレーションした“ソーシャルバナー”や“mixiXmas”などのヒットコンテンツを生み出す。オンラインから店頭への送客施策においても先んじて実績を残している。2012年、株式会社Showcase Gig設立。

<受賞歴・講演等>
2007年、2008年モバイル広告大賞、2...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2014/02/20 18:28 https://markezine.jp/article/detail/18706

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング