登録日の翌日の継続を考えてみる
私の経験上、継続率を算出すると、たいてい登録の翌日に数値が大きく下がることが多いです。まずは、翌日継続率の数値を上げるために、登録した初日に何をしているのかを見てみます。

アクション利用率について
コミュニティサイトの運営側が準備したアクション(コメント、フォローなど)を、登録初日にきちんとユーザーが行っているか、新規登録数に占めるアクションUUの割合を「新規ユーザーのアクション利用率」(※)と定義し、算出します。

登録初日に想定より利用されていないと感じたときの仮説/施策としては以下のようなものが挙げられます。
アクションする前段階(プロフィール登録)で離脱している。
→プロフィール登録を簡易化させる
チュートリアル(サービスの使い方の説明)の内容が適切ではない
→訴求内容を再確認し、A/Bテストで効率を上げる
→チュートリアルの中に、特定の操作をさせるよう組み込む
チュートリアルが長い
→簡略化させる
アクションを行うページに遷移していない
→回遊させるためのモジュールの設置、導線の見直しを行う
上記のような仮説・施策を繰り返し、アクション利用率を上げることを目指します。
母集団から特定のアクションをした割合を「アクション利用率」とします。
母集団の例としては、新規ユーザーや当日のUUやコンバージョンしたユーザーなどが挙げられます。
例1)11月1日のUU:200人 いいねを使った人:20人
アクション利用率= 20 ÷ 200 * 100 = 10%
例2)11月1日の新規登録者数:50人 新規ユーザーのうちコメントした人:10人
新規ユーザーのアクション利用率=10 ÷ 50 * 100 = 20%
翌日継続率を出してみる
次に翌日の継続率を出してみます。まず、大雑把に把握し、以降の作業につなげるために準備しておきます。

アクションした人の翌日継続について
どのアクションをすれば翌日も利用するのか、アクションした人を母数として、翌日継続率を確認します。
ここで、初日にアクションした人の方が全体の翌日継続率と比べて高いことがわかります。また、「いいね」や「フォロー」を利用したユーザーよりも、「コメント」を利用したユーザーの方が翌日に来る率が高いことがわかります。
ただ、これだけでは見誤ることがあります。本当にアクションをしたから、継続したのでしょうか? 見誤らないためにも、本連載のテーマのひとつでもあります、複数の数値で比較する作業に移ります。
アクションしていない人の翌日継続について
次はアクションしていないユーザーを母数として、翌日継続率を確認します。 「いいね」のアクションをしなくても、32.1%が翌日も来ていることがわかります。この値を算出することができたら、次の作業です。
アクションをしていないUU、アクションをしていない人の翌日継続数はアクションをしているUUとその継続率が出ていれば、引き算で出せます。
例: アクションしていないUU = 新規登録数 – アクションしたUU
アクションしていない人の継続数 = 翌日継続数 – アクションした人の継続数
アクションした人としていない人の翌日継続を比較する
これまで出してきたものを利用し、複数の数値で比較する作業の仕上げです。「アクションした人の翌日継続率」から「アクションしていない人の翌日継続率」を引いて、そのアクションのインパクトを算出します。

この差が大きいもの程、翌日継続に寄与しているものと考えます。よって、一番翌日継続に寄与しているアクションは「コメント」であることがわかります。