説明を補足する方法3:対象をはっきり絞り込む
話を戻そう。クイックレスポンスが求められるネット広告やダイレクトマーケティングのコピーでは、「あなたへのメッセージですよ」と思わせるパーソナルタッチがセオリーだが、ちょっとした補足でドライブがかかる。
たとえば<30代の男性>よりも<30代の働く男性>、さらに<30代の男性マーケッター>などと対象をはっきり絞り込むことで、一番届けたい人に読んでもらえる可能性を高めることができる。
また、古典的な方法だが<あなた>という言葉をつけると、読み手は当事者意識が高くなって読まれやすくなる。
<退職金は15年で底をつくかもしれません>よりも、<あなたの退職金は15年で底をつくかもしれません>の方が身近に感じてしまう。
この金融商品を一番売りたいのが50歳なら、<いま50歳、あなたが75歳の頃には退職金が底をつく?>と言った方がメッセージは強くなり、読み手とのマッチングもより確かになる。
ブラッシュアップではドライブの有無をチェック!
言葉にドライブをかけることは、大げさに見せたり、極端な表現で煽り立てる偽装表示とは違う。読み手の想像力を促し、イメージを活発にすることをサポートするのが目的だ。読み手の<ピンとこない>を解消することである。
書き上げたキャッチフレーズをブラッシュアップする際は、一番訴求したい部分にドライブがかかっているか、あるいはかける言葉はどこだとチェックしながら行い、しっかりと補強してください。
今回のまとめ
- キャッチフレーズを効かせるには、言葉にドライブをかける
- ポイントは想像力やイメージをくっきり鮮やかにすること
- 言葉で絵を描くなど具体的で分かりやすい表現を心がける

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アイデアを生み出すパターンを、レトリックを使って類型化した考え方の教科書。アナロジー、メタファー、コントラスト、逆転などのレトリック技法を使って言葉だけでなく、デザインの考え方を紹介しています。具体例をユニークで面白いビジュアルで見せるなど眺めても楽しい本です。
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