読者がクリックしたくなるレコメンデーション生成のしくみ
― レコメンデーションの生成はどのように行われるのでしょうか。
嶋瀬 つどダイナミックにレコメンデーションを生成しているのですが、通常30~40種類のアルゴリズムが同時に動いています。大きく分類すると5つに分けることができます。
1つ目は、テキストの親和性・関連性。2つ目はユーザー個人の行動属性。これは、私がAを読んだあとにBを読んでいたら、Cをおすすめする。もしくは、Aを読んでいたらその記事は出さないといった、個人の行動に最適化したレコメンデーションです。3つ目は、ほかのユーザーも含めた全般的な行動属性。アマゾンの協調フィルターに代表されるような、「こういう記事を読んでいる人はこんな記事も読んでいる」というもの。4つ目は記事自体の人気。5つ目はソーシャルメディアで、FacebookやTwitterなどからの激しい流入がある場合、なんらかのバズが起きているのではないかと判断し、それらを総合的に加味するかたちになります。
また、これらの比重を決定するバランサーがあります。メディアに導入したタイミングで、その読者の行動パターンや属性を我々のエンジンが学習しながら、それぞれのアルゴリズムの比重を変えていきます。これによって、よりユーザーがクリックしたいと思うような記事のレコメンデーションに変えていくことができるのです。
― これらの処理を実行するインフラはクラウドベースなのでしょうか。
ギャライ いいえ。すべて我々の管理下にあるデータセンターで行なっています。
米国ネットユーザーへのリーチ87%は、どのように生まれたのか
― 米国オンラインユーザーにおけるOutbrainの利用率は87%と非常に高いのですが、この成長の要因は何でしょうか。
ギャライ 我々はこの分野の先駆者として、辛抱強くマーケットを伸ばしてきました。Outbrainの創立メンバーは新規分野の事業立ち上げの経験が豊富な人物。各ステークホルダーとの関係づくりをしながら、彼らのニーズを組み入れ、選択と集中であまりブレすぎないようにといったことを日々重ねていった結果なのです。
― 導入企業はプレミアムかつ規模の大きなメディアが多いですが、日本ではどのようなメディアに使ってほしいですか?
ギャライ PVを含めた規模の大きいメディアのほうが、よりコンテンツのトラフィックを発生させられるので良いと思います。しかし我々はTier1、Tier2、Tier3といったかたちで、数億PVから数百万PV規模のメディアとおつきあいをしています。ニッチなサイトが参加することによって情報のバラエティも生まれます。日本でもさまざまな規模とのメディアとのおつきあいをしていきたいと考えています。
嶋瀬 米国では87%のリーチがありますが、日本でも同様のリーチを目指していきたいと考えています。内部回遊サービスについては無料で提供しており、また世界的な平均として4~8%の高いCTRであることを評価いただき、日本でもすでにかなりの数のブロガーさんがOutbrainを使っています。我々のホームページからJavaScriptをダウンロードして入れるだけなので簡単に導入できます。
