Doubleclick Search
次に紹介するのは Google が提供している 「Doubleclick Search 」です。 Doubleclick Search の特徴として挙げられるのがそのユーザーインターフェースでしょう。 Google AdWords の管理画面とほぼ同様の見た目と操作感での機能提供により、 Google AdWords に慣れ親しんだユーザーであれば直感的に操作が可能です。
さらに Google が提供している PLA (商品リスティング広告)とのシームレスな連携により、広告主の商品データベース連携においても自由度が高く、商品在庫と連動したリスティング管理においても PLA のデータをそのまま使った運用ができます。これによって、在庫連動(データフィード)と PLA で個別に出稿の段取りをしなくてもよいという強力なメリットが存在しています。
自動入札機能において特筆するべき点として異なる複数のコンバージョンポイントをゴールとした自動最適化機能が搭載されています。たとえば、ECサイトなどで「会員登録」とその後の「販売」というふたつ以上のゴールを持っている広告主の場合、リスティングのキーワードが当然両方のコンバージョンを生み出すこともあります。
これが通常の自動入札であれば、それぞれのコンバージョンポイントにゴールやKPIを設定して自動入札を動かすことが定石です。しかし、両方のコンバージョンポイントに貢献しているキーワードをどのように管理するべきかという点で運用上複雑になってしまったり、そもそも自動入札を諦めるということが多くあります。
Doubleclick Search では上記のようなケースでも両方のコンバージョンをゴールとしてみなし、全体最適を実現するような自動入札機能が搭載されており、従来の壁を超える運用が実現することもあるでしょう。
レポート機能についても Google AdWords の基本的なレポートは網羅されていますし、後述する Google が提供している第三者配信アドサーバ「 DFA (DoubleClick for Advertiser) 」のレポート機能により、通常のリスティング管理機能以上のレポート抽出と分析が可能です。さらに自動入札機能における「 Google Analytics 」との連携など、Google が提供しているさまざまな広告管理プラットフォームとのシームレスな連携を実現していることが Doubleclick Search の魅力だといえるでしょう
DoubleClickファミリーだから可能なディスプレイ広告配信との強力な連携
また、商品名に「 DoubleClick 」という名前が付いているように、第三者配信アドサーバである DFA やDSPである「 Double Click BidManager 」との連携も直感的、かつ複雑な手順を必要とせずに実現できます。
通常であれば、リスティング広告の管理ツールとDSPとでデータを連携し、リスティングでサイトに訪問したユーザーでコンバージョンしなかったユーザーをDSPで捕捉する、という場合はCookieの同期という作業が必要になります。通常この作業ではランディングページにJavaScriptタグをいれたり、パラメータの発行ルールを制御するという手間が発生します。しかし、Doubleclick Search と BidManager であれば両者とも Google が提供しているプロダクトであるため、そのような作業を経ることなくCookieを連携させた運用が可能になります。
DFA のレポートを活用したアトリビューション分析
Doubleclick Search のポイントとして、ディスプレイ広告も含めたアトリビューション分析を第三者配信サーバである DFA のレポートの中でまとめて見ることができるというのも強力なメリットです。
ディスプレイ広告を見たユーザーがそのあと検索をしてコンバージョンした場合など、通常であればディスプレイ広告と検索連動型広告のプラットフォームが異なっているため、ユーザーのコンバージョンファネル、カスタマージャーニーを分析するためにはデータを統合しなければなりません。しかし、DFA と Doubleclick Search を併用することで、データ統合のための複雑な手順を必要とせずにアトリビューション分析をすることが可能になります。
今回は、「Adobe Media Manager」と「 Doubleclick Search 」を紹介しました。両者ともそれぞれが提供しているDMPや第三者配信アドサーバとの連携により、さらに深く高度な運用が可能なプラットフォームになっています。利用目的などにもよりますが、さまざまな広告手法を試している広告主にはぜひご検討してほしいプロダクトだといえるでしょう。
次回は来年になりますが、引き続き統合管理プラットフォームの紹介をしていきます。どうぞご期待ください。
