4.「間に入るけど、何もしない」代理店
ここはやっかいです。宣伝費の一環でサービスをつくると、どうしてもメインとなる代理店を通して、その先の制作会社が動くことが多くなります。
ただ、その間に入る人次第で、チームの良さが損なわれてしまうこともあるのです。サービスへの想いが伝わらなかったり、コミュニケーションロスによってスケジュールが伸びたり、代理店の付加価値という押し付けのエゴが入ってきたり。
だから、代理店と一緒に仕事をする場合でも、クライアントが制作チームに直接会える環境を用意すると、動きがわかってくると思います。可能なら、KickOffの際に一緒に顔合わせをしたり、進捗を共有するミーティングに同席したりすることで、想いが伝わりやすくなります。
代理店の担当者が懐の深い人なら、自分が間に入ることで付加価値を出しつつも、一緒に制作をしているチームを立ててくれることでしょう。
5.「予算がない」しか言わないクライアント
よいサービスを創るには、もちろん予算が必要です。その予算とは、広告費というよりはクリエイターに払われる対価なので、十分な予算が用意できなければ、イケてるクリエイターは動いてくれません。
よって、クライアントの担当者が良いサービスをつくるには、しっかり予算取りをすることが大事な仕事なのです。
社内各所の調整から、苦手な上司の説得まで。ものづくりには面倒くさいこともつきものですが、それをやってこそ、大きな組織の中でもおもしろい企画が実現できるのではないでしょうか。
ただし、予算を単発のプロモーション費用として確保してしまった場合は、継続した運営が難しくなります。都度、予算を確保しなければサービスの更新ができなくなってしまうからです。
できれば資産としてサービスを持ち続ける覚悟で社内調整ができると安心です。
まとめ
以上、やってはいけないことをベースに話を展開しましたが、社内でも社外でも関係なく、「絶対にサービスを流行らせる、とコミットできるチームをつくる」ためには、友人や仕事仲間、代理店や他部署など、とにかく人づて、またはオンラインで声をかけて自分から仲間を集めることが大事になってきそうです。
僕が尊敬する、大企業の中でしっかりと「つくるチーム」を創った方がいます。とあるテレビ局の部長さんなのですが、昔、立ちあげたばかりの僕らのボロオフィスに訪問してくれて、一緒になにかやろうと持ちかけてくれました。
彼は日頃からスタートアップや制作会社の若手との付き合いを大事にし、社内で足りないリソースを外部から調達しながら、プロジェクトを立ち上げています。そして今では、そのパートナー会社の1つと立ち上げたチームで、大ヒットゲームを出しています。
次回は、愛されサービスを広めるために活躍できるマーケター像について書きたいと思います。