ユーザー管理のキーワードは「一気通貫」
このように、リーチできていない97%のユーザーへ情報をいかに届けるかという課題は、『プライベートDMPを導入し、それをハブにさまざまなチャネルからアプローチする』という方法が有効だ。「これまでCRMとしてメルマガ主体で行ってきたことに、それ以外のさまざまなチャネルを加えることで、97%のうち相当な範囲の会員にアプローチできます」と古谷氏。
例えば、アパレル雑貨を取り扱うECサイトでは、1か月使い切りの商品を購入した会員に対して、使い切る直前に送料無料のクーポンを訴求するディスプレイ広告を表示。非会員へは通常商品のディスプレイ広告を表示させたところ、売上が200%以上に伸張した。他の導入事例でも、細かいセグメンテーションを経てクロスセルを提案し、売上が500%に伸びたケースもあるという。「休眠会員の掘り起こしや、サイト内であまり目立たせていないが特定ユーザーには響く商品のアプローチにも、大きな効果がある」と古谷氏。
さらにもうひとつの課題である「3%の母数をどう引き上げるか」という点について、古谷氏は「認知から購入までのフェーズと、購入から優良顧客化のフェーズを一気通貫で管理することがポイント。言い換えれば、cookieと会員IDの紐付けができれば、会員になる前から顧客の行動を把握でき、その後のリテンションに大きな効果を発揮するのです」と解説。
優良顧客を可視化し、流入経路を分析することで、新規顧客の獲得につなげられるのだ。このように、IDの管理をシームレスで行えるのも、プライベートDMPの大きな役割だ。
成功のカギは複数ツールの活用
古谷氏は、この他にもユーザー単位で効果を可視化するために、タグマネジメントやアナリティクス・BIツール、あるいは第三者配信などを組み合わせることを提案する。「複数のツールを組み合わせて運用することで、前述の優良顧客の可視化、流入経路の分析を経て、施策の最適化を図ることができます」
そのためにadingoでは、さまざまな外部サプライヤーとの連携を進めている。例えば京セラコミュニケーションシステムの「デクワス.DSP」はレコメンドが優れている。連携することでユーザー軸と商品軸を掛け合わせたレコメンドができ、セグメントごとにバナーを自動生成できるのも利点だ。
日本国内の2億ユニークブラウザのデータを有しているモデューロのDMP「AudienceOne」とは、同じDMPだが互いの得意領域を活かすことで、見込み顧客を多く獲得することができる。また、ブログウォッチャーが提供するスマートフォンのプッシュ通知「Profile Passport」との連携ではO2Oを促進したりと、各社とのタッグによって効果の引き上げを狙っている。
adingoはソリューション選びやプライバシーポリシーの問題、また運用体制への不安など、さまざまなコンサルティングも含めてDMP導入を支援。こうした包括的な支援を得られるパートナー企業を選ぶことも、マーケティングを加速させる大きなポイントだといえるだろう。
プライベートDMP「cosmi Relationship Suite」へのお問い合わせはこちら!
※リンクをクリックすると外部サイトへ遷移します。