メーカーなのに、メディアを運営?
サイボウズという会社で企業ブランドマネージャーをしている大槻幸夫と申します。
「企業ブランド」? 「マネージャー」? どんな仕事か、よくわかりませんよね。
具体的には「サイボウズ式」というオウンドメディアの編集長と、「サイボウズLive」という無料クラウドサービスのプロダクトマネージャーを務めています。最近では、サイボウズの企業ロゴを創業以来初めてリニューアルするのにあたって、クラウドソーシングを使ったデザインコンテストでロゴを募集する、なんていう企画もやっています。
これまでの主なお客様だった企業の情報システム部以外の方々にも、サイボウズという会社を知っていただく、というのが私のミッションです。
ところで、最近高知県に引っ越しを決められた有名なブロガーのイケダハヤトさんのサイトで、ちょっと前にこのような記事が公開されました。
「オウンドメディア(企業ブログ)が流行ってるけど、どれも面白くない件」。
恐ろしいタイトルです。私たちが手がける「サイボウズ式」も取り上げていただいたのですが、最近、取材を受けたり記事にしていただくことが増えてきました。マーケティング手法として定着しつつある「オウンドメディア」。しかし、上のような記事から想像できるように、企業がメディアを運営することはそう簡単なことではありません。そんな中、サイボウズ式はその成功事例のひとつに見られているようなのです。
そこで、この連載では、サイボウズがなぜオウンドメディアにチャレンジしたのか、その成果や運用ノウハウといった具体例、そしてそこからの学び、特に「プロダクトライフサイクルから考えるオウンドメディアの有効的活用法」についてお話してみようと思います。
はじめての投稿
サイボウズ式は2年前の2012年5月14日にスタートしました。最初の記事は、編集長が立ち上げたメディアのコンセプトをお伝えするべき、ということでその意気込みを綴った内容にしました。それがこの、
です。まだどんな記事が公開されるかもわからないサイトに対して、どれほどの反応があるのか? この時は編集部メンバー全員半信半疑でしたが、ふたを開けてみると公開1週間で2000PVを超える反響でした。
Facebookのいいね!も500件以上つきました。この記事への流入元の46%がFacebookと圧倒的だったことから、私はソーシャルメディアのインパクトを肌身で感じることとなり、オウンドメディアの可能性の高さを確信しました。
オウンドメディアとして幸先の良いスタートを切ったそのとき、サイボウズという会社はどういう状況だったのか? ここ、重要なポイントなので、少し説明しますね。